「SNS集客」という言葉をご存じでしょうか?文章、写真、動画といった様々なコンテンツを気軽に発信できるSNSは今や私達の日常には欠かすことのできない存在です。
個人はもちろん、ビジネスで利用をしている個人事業主や企業も多く、売上や認知拡大の重要なツールとして活用されています。
本記事では、SNS集客の活用方法や現在のトレンド、運用に際しての注意事項などについて解説します。
これからSNS集客を検討されている方は、ぜひ参考としてご活用ください。
そもそもSNSとはなにか?
SNS集客の活用方法を解説する前に、そもそもSNSとは何であるかについて改めて解説します。
SNSとはSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の頭文字を取った略称です。
総務省が解説している定義によると、「友だちなどとつながって、文章や写真、動画などで自分を表現したり、コミュニケーションするサービスのこと」とあります。
インターネットを介して利用ができるサービスのため、住んでいる地域や国にかかわらず、様々な人と情報交換ができ、電話や手紙に比べて気軽に利用できるなどのメリットもあります。
もともとは個人の情報発信のツールとしてスタートしたSNSですが、昨今ではここにビジネスを行う個人事業主や企業が参戦し、サービスの認知や集客に活用する動きが起こっています。
ビジネスでSNS集客を活用するメリットや重要性については、次の章で詳しく解説します。
SNS使った集客とはなにか?その重要性は?
SNSの概要を理解したところで、ビジネスにおけるSNSの重要性や役割について解説します。
SNS集客をビジネスに活用するには
SNS集客をビジネスに活用する目的としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- サービスや商品の認知拡大
- イベントなどの告知
- 店舗への集客
- セール商品、限定商品などを伝えるための情報発信
- 顧客同士の交流
- 人材採用
単に商品を宣伝するだけでなく、店舗やサービスを知らせるための認知拡大、顧客同士の交流、人材採用と、活用の幅は多岐にわたります。
また、SNSには様々なサービスやツールが存在していることから、高い効果を得るためには、プラットフォームの利用者や使い方に合わせた適切な運用が大切です。
文章や画像などを投稿すること自体は、ほとんどのSNSにおいて無料で行うことが可能です。そうした点から、従来の広告費と比べて、低予算で運用ができるのもSNS集客活用のメリットです。
正しい知識やアイデアを活用して運用すれば、従来のメディアに比べ、高い費用対効果を発揮できる可能性がある点も、現代の企業がSNSに力を入れる理由の一つです。
SNS集客の活用が企業やビジネスにとって重要な理由
SNSの運用や、それらを使った集客の重要性について解説します。
その理由の一つは、現代を生きる人々のネット利用時間の長さにあります。
令和5年に総務省情報通信政策研究所が発表した、「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、各世代別の平日における主なメディア平均利用時間を調査した結果は以下の通りです。
【令和4年度】[平日]主なメディアの平均利用時間(全年代・年代別)
(分) | テレビ視聴時間(リアルタイム) | テレビ視聴時間(録画) | ネット利用時間 | 新聞利用時間 | ラジオ視聴時間 |
全年代 | 135.5 | 18.2 | 175.2 | 6.0 | 8.1 |
10代 | 46.0 | 6.9 | 195.0 | 0.9 | 0.8 |
20代 | 72.9 | 14.8 | 264.8 | 0.4 | 2.1 |
30代 | 104.4 | 14.6 | 202.9 | 1.2 | 4.1 |
40代 | 124.1 | 17.2 | 176.1 | 4.1 | 5.5 |
50代 | 160.7 | 18.6 | 143.5 | 7.8 | 14.0 |
60代 | 244.2 | 30.5 | 103.2 | 17.7 | 16.7 |
引用:令和5年6月総務省情報通信政策研究所:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(P5)
全年代の平均ではネットの利用時間が175.2時間、10代〜40代までは各メディアで特に利用時間の長い媒体であることがわかります。
SNSは、ネットにおいて運用されるツールです。そのため、ネットユーザーの利用時間が多い媒体で広告や宣伝を行うことで、認知拡大や売上アップを効果的にできる可能性が高くなります。
さらに詳しく同報告書を見ていくと、SNSがより重要であることが理解できます。下記は、長時間利用するネットの媒体別使用目的を調査した結果になります。
【令和4年度】[平日]インターネットの利用項目別の平均利用時間(全年代)
(分) | メールを読む・書く | ブログやウェブサイトを見る・書く | ソーシャルメディアを見る・書く | 動画投稿・共有サービスを見る | VODを見る | オンラインゲーム・ソーシャルゲームをする | ネット通話を使う |
全年代 | 40.3 | 26.4 | 43.3 | 51.0 | 15.7 | 19.9 | 4.8 |
10代 | 16.1 | 18.7 | 64.2 | 91.1 | 20.3 | 36.9 | 19.0 |
20代 | 39.2 | 30.7 | 87.3 | 99.9 | 28.7 | 54.4 | 10.5 |
30代 | 41.1 | 29.2 | 48.2 | 57.1 | 16.2 | 20.5 | 1.1 |
40代 | 52.4 | 33.7 | 38.6 | 38.9 | 14.8 | 12.9 | 1.7 |
50代 | 48.4 | 27.4 | 26.6 | 28.7 | 11.9 | 5.9 | 3.5 |
60代 | 29.8 | 14.8 | 17.4 | 25.4 | 7.8 | 7.0 | 1.2 |
引用:令和5年6月総務省情報通信政策研究所:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(P6)
「ソーシャルメディアを見る・書く」、「動画投稿・共有サービスを見る」などSNSに関連する利用目的が、多くの世代で高い傾向があります。
特に10代〜20代では「動画投稿・共有サービスを見る」に費やす時間が突出していることがわかります。
SNS集客の具体的な方法
次に、具体的にどのような方法でSNSを活用していけばよいのかについて解説します。
SNSの種類
はじめに、日本で多く使われているSNSとその特徴について解説します。
LINE
LINEは、日本をはじめアジア各国で広く利用されているメッセージングアプリです。
その特徴の一つは、無料でメッセージや通話ができる点です。個人やグループチャットでテキスト、画像、動画、スタンプなどを簡単に送受信でき、気軽にコミュニケーションを取ることができます。
また、無料の音声通話やビデオ通話も可能で、国内外問わず多くのユーザーに利用されています。
スタンプの豊富さもLINEの大きな特徴で、キャラクターやアニメ、オリジナルデザインのスタンプが多く揃っており、メッセージやり取りの際の表現の幅を広げます。
「LINE VOOM」と呼ばれる機能もあり、友達と近況をシェアすることが可能です。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、リアルタイムで情報を発信・共有するSNSプラットフォームです。
基本的に140文字と制限された短文で投稿を行うのが特徴で、ニュースや話題を即座に発信できる点に特徴があります。
リポスト機能による情報拡散、コメント機能によるユーザー間の交流が可能で、うまく利用することで多くの人に情報を届けることが可能です。
フォロワー同士の双方向コミュニケーションも強調されており、個人だけでなく政治家や著名人、企業なども積極的に情報発信に活用しています。
Instagramは写真や動画をメインにシェアするSNSです。
特に、視覚的な表現を重視するユーザー層に人気があります。投稿にはフィルターやエフェクトを簡単にかけることができ、日常の一瞬を魅力的に演出できます。
投稿された画像や動画には「いいね」やメッセージをつけることが可能で、ユーザー間の交流も可能です。
また、「ストーリーズ」機能を使って、24時間限定の投稿やライブ配信もできます。
TikTok
TikTokは、短い動画コンテンツの作成・共有に特化したSNSです。クリエイティブな動画を簡単に作成でき、多彩なエフェクトや音楽、チャレンジ動画などが人気を集めています。
特に若年層を中心に急速に成長し、ダンスやコメディ、教育系コンテンツなど、多岐にわたる動画が楽しめるのが特徴です。
アルゴリズムに基づいたおすすめ機能があり、個々の好みに合った動画が次々と表示されるといった特徴もあります。
Facebookは、XやInstagramなどとは異なり、実名で登録を行うという特徴があります。実名登録のため、誰が発信した情報なのか分かる点が魅力の一つです。
プラットフォーム内ではテキスト投稿、写真、動画、イベントの作成など、多彩なコミュニケーション手段が用意されています。
また、Facebookページを活用して情報発信を行う企業などもあり、ビジネスツールとしても活用されています。
SNS集客の活用シーン
ここからは、各種SNSをどのように集客で活用し、効果を上げていくのか具体的な方法について解説します。
商品やサービスの宣伝に活用する
商品の購入やサービスの利用を促すために、SNSを活用する方法があります。
例えば商品の写真を撮影してInstagramに投稿することにより、多くの人に知ってもらうことができ、商品の認知が増えれば購入につながる可能性があります。
またプロフィール欄や概要欄に、オンラインショップのURLを設置しておくことで、商品購入への導線をつくることが可能です。
商品やサービスの認知に活用する
商品やサービスを購入してもらうためには、まずは顧客にその存在を知ってもらうことが重要です。
拡散力のあるインフルエンサーに依頼し、実際に商品やサービスを使っている動画や写真をSNSに投稿してもらうことで、認知を広げるのも効果的な活用方法です。
動画や写真を通してどのような体験をしたのか、どのような感想を持ったのかをインフルエンサーに伝えてもらうことで、利用者目線で商品やサービスを訴求できる点が、従来の広告との大きな違いです。
またインフルエンサーのファンの年齢層、属性などを事前に分析することで、ターゲットを絞った宣伝を打つことができるのも魅力的なポイントです。拡散力のあるインフルエンサーを探す際には、人気の指標の一つとなる「フォロワー数」に注目してください。
広報・宣伝に活用する
SNSは、商品やサービスの購入に直接結びつける以外にも活用法があります。それは、広報や宣伝といった目的です。
例えば「ホームページやブログを運営しているが、訪問数に課題がある」「新しい施設やイベントに人を呼び込みたい」などといった際に、SNSの活用がおすすめです。
各SNSには、有料で使える広告機能があり、年齢、性別、属性、居住地などを限定して情報発信をすることも可能です。
属性を絞った広告配信により、新聞や看板広告などと比べ、低予算でマーケティング施策を組めるといったメリットがあります。
また、同じ内容の情報だとしても、複数のSNSに発信することで、異なる層のユーザーにアプローチすることが可能です。
採用活動に活用する
中小企業や地方企業の中には、求人情報を掲載しても募集が集まらず、人手不足という課題を抱える企業もあります。
その原因の一つは、文字や写真の情報だけでは、その企業の雰囲気や仕事内容が求職者に伝わりにくい点が挙げられます。
こうした課題を解決する手段として、SNSで採用活動を行っている企業もあります。例えば、仕事のやりがいや、職場の雰囲気を撮影したショート動画を投稿し、認知を高める手法です。
SNSを活用することで、働く人の人柄、職場の雰囲気、仕事内容などをイメージしてもらいやすくなるのはもちろんのこと、これまで興味を持たれなかった層へアプローチすることも可能です。
SNS集客を行う際の注意点
最後に、SNS集客を通して情報発信を行う際に注意しておくべきポイントについて解説します。
正しい情報発信を心がける
SNS集客を通して情報発信を行う際は、正しい内容を伝えることが重要です。誤った情報を伝えてしまうと、誤解を生むなど様々なトラブルに発展します。
「営業時間の記載を誤り、お客さんが閉店時間に来店してしまった」「記載した価格を間違い、お客さんに混乱を与えてしまった」などといったケースが考えられます。
各SNSには、削除や訂正等の機能がついていますが、一度公開をしてしまうと、その投稿を誰かが目にするかもしれないということを肝に銘じ、発信前の十分な確認を行ってください。
基本的に一方通行であることを意識する
SNSで発信した情報ですが、内容によっては不快に感じる人、マイナスのイメージを持つ人もいます。
また、マイナスな情報を発信した場合も、拡散機能でより多くの人に悪い情報が流れるリスクがある点も覚えておきましょう。
事業としてSNSを活用するのであれば、不要な炎上などを避けるためにも、運用ルールを決め、複数名でチェックを行うことで内容の問題を確認すると安心です。
まとめ:現代にはSNS集客の活用が必須
現代は、多くの人がSNSを利用しています。
SNS集客は、上手に運用することで、大きな予算をかけなくても効果的に宣伝を行えるといったメリットがあります。
それぞれのSNS集客には効果が出やすい分野やターゲットの違いなど、それぞれ特色があります。そのため、目的にあった媒体を選択することが効果的な運用の近道です。
店舗やサービス・ブログ・公式サイトなどの宣伝で悩んでいる方は、本記事で紹介した注意点などを参考にしつつ、SNS集客の積極的な活用をご検討ください。
執筆者名Tak_1989
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム