「フリーランスの相談窓口ってあるの?」
「仕事のトラブルを抱えているが解決方法がわからない」
このような疑問や不明点を抱えている方はいませんか?
フリーランス・個人事業主の自由なライフスタイルには大きな魅力がありますが、多くのフリーランスが取引先とのトラブルを経験しているという事実も見逃せません。
報酬の未払い、業務範囲の食い違い、損害賠償請求などの問題に直面したとき、どのように対応すればよいのでしょうか。
そこでこの記事では、フリーランスの相談窓口や、直面しがちなトラブル事例、トラブルの予防策を詳しく解説します。
トラブルを経験したフリーランスは少なくない
実は、取引先とのトラブルを経験するフリーランスは少なくありません。内閣官房日本経済再生総合事務局が令和2年に実施した「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスの約4割が「取引先とのトラブルを経験したことがある」と回答しています。
出典:フリーランス実態調査結果|内閣官房日本経済再生総合事務局
トラブルに遭ったことがないフリーランスでも、将来的に問題に直面する可能性があるかもしれません。そのため、どのような理由でトラブルが発生しやすいのか、またその対処法について事前に把握することが大切です。
備えがあれば、実際にトラブルが起きた際にも冷静に対応できるでしょう。
同調査によると、フリーランスが経験するトラブルで最も多かったのは「発注時点で報酬や業務内容が明示されなかった」というケースで、全体の37%を占めています。
このほか「報酬の支払いが遅れた」や、「報酬の未払いや一方的な減額があった」という金銭にまつわる問題が多く挙げられています。
これらの結果から、フリーランスがクライアントと仕事をする際には、とくに金銭面での契約条件を慎重に確認するのが不可欠です。
トラブル発生時のフリーランスの対応は?
トラブルが発生した際、多くのフリーランスが交渉によって問題解決を図ろうとしています。一方で、「交渉せず、受け入れた」という回答も少なくなく、泣き寝入りしてトラブルを受け入れたケースもあります。
また、交渉せずに取引を中止した人もおり、トラブルの原因となるクライアントとの関係を早期に断つ方が得策だと考える場合もあるようです。
これらの結果から、フリーランスという働き方はトラブルが発生しやすいということがわかります。トラブルを防ぐための事前の対策や、トラブルが発生した際の対処法を知っておくことが、フリーランスとして長く活動するための重要なポイントです。
フリーランスが使える相談窓口5選

フリーランスとして働く中で、トラブルや難問に直面することは珍しくありません。そのようなときに頼りになる相談窓口がいくつか存在します。以下では、フリーランスが利用できる主な相談窓口について詳しく解説します。
- フリーランス・トラブル110番
- 公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の窓口
- 公益財団法人日本税務研究センター
- 下請かけこみ寺
フリーランス・トラブル110番
フリーランス・トラブル110番は、厚生労働省の委託を受けて第二東京弁護士会が運営している相談窓口です。この窓口では、フリーランスが遭遇するトラブルについて、弁護士による無料相談が受けられます。
とくに、契約内容の不明瞭さや報酬未払いといった問題に対応しており、和解のあっせん手続きまで行えるのが特徴です。匿名での相談も受け付けているため、クライアントに自身の情報を知られたくない場合でも安心して利用できます。
電話やメールでの問い合わせに対応しており、利用料はかかりません。法律問題に直面した際、信頼できる専門家に相談できるのは非常に心強いでしょう。
公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の窓口
フリーランスの労働環境を保護する「フリーランス新法」に違反する行為を受けた場合、状況に応じて適切な行政機関に相談を行えます。
たとえば、取引条件の明示や報酬支払いの期日遵守に関する問題は、公正取引委員会や中小企業庁が対応し、ハラスメント対策や就業環境整備の問題は、厚生労働省が担当します。
各都道府県の労働局窓口で申し出が可能で、今後はオンライン申出も導入される予定です。こうした窓口を活用することで、違法行為への適切な対応が期待できます。
公益財団法人日本税務研究センター
公益財団法人日本税務研究センターは、フリーランスの税に関する悩みを相談できる窓口です。税理士会が運営しており、税金や財務処理、確定申告に関するトラブルについて専門的なアドバイスを受けられます。
また、同センターでは税に関する講座・セミナーも開催しており、これらに参加することで税務知識を深められます。税務関連の手続きで困った際には、頼れる相談先となるでしょう。
下請かけこみ寺
下請かけこみ寺は、中小企業庁が全国48か所に設置した相談窓口で、フリーランスの下請取引に関する悩みを相談できます。この窓口では取引の適正化を目的に、取引上のトラブルや金銭問題について相談員や弁護士が対応します。
相談料は無料で、電話・オンライン・対面での相談が可能です。また、必要に応じて行政機関や専門機関と連携して対応するため、取引トラブルに巻き込まれた場合には頼りになるでしょう。
フリーランスが直面しやすいトラブル事例

フリーランスは、契約や業務遂行に関連するさまざまなトラブルに遭遇する可能性があります。そのようなトラブルを未然に防ぎ、適切に対処するためには、直面しやすいトラブル事例を知っておくことが重要です。
- 報酬に関する契約トラブル
- 業務範囲や納期に関するトラブル
- 損害賠償請求に関するトラブル
- ハラスメントに関するトラブル
報酬に関する契約トラブル
フリーランスにとって、報酬に関するトラブルは起こりがちです。生活に直接影響を及ぼすため、トラブルが発生すると心理的負担も大きくなります。
契約書の内容が不明確だったり、契約自体が口約束で済まされていたりすると、支払いが遅れる、あるいは未払いになるリスクが高まります。
さらに、納品後にもかかわらず、クライアント側の検収が遅れたために支払いが先延ばしにされるケースもあるのです。事前の説明なく報酬が一方的に減額されるケースも少なくありません。
このようなトラブルを防ぐには、契約時に報酬や支払い条件をしっかり確認し、双方が合意した内容を文書で残しておくことが不可欠です。
業務範囲や納期に関するトラブル
フリーランスとクライアントの間で、業務範囲や納期について認識の食い違いが発生することもあります。たとえば、業務量が契約時の説明よりも大幅に増えたり、修正依頼や手戻りが頻発したりするケースです。
また、クライアントの都合で納期が急に前倒しされることもあり、フリーランスにとっては負担が増してしまいます。
こうした問題を防ぐには、契約時に業務範囲や納期を具体的に定めることが重要です。また、追加の業務が発生した場合には、その都度あらためて条件を明確にし、双方が納得した上で業務を進める必要があります。
安請け合いを繰り返すと、自分自身の負担が増えるだけでなく、クオリティの低下や納期遅延につながるリスクが高まるため、慎重に対応しましょう。
損害賠償請求に関するトラブル
トラブルの中には、フリーランスが損害賠償を請求されるケースもあります。納品した成果物に不備があったり、納期に遅れたりすることで損害が発生した場合や、クライアントの情報を漏洩してしまった場合などです。
また、成果物が著作権・商標権を侵害していた場合にも、責任を問われることがあります。こうしたトラブルを防ぐには、契約書に責任の範囲を明記し、不測の事態に備えて保険に加入することも検討すべきです。
自分に過失がない場合でも、クライアントから不当な要求を受けることがあるので注意しましょう。このような場合では、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を図ることが大切です。
ハラスメントに関するトラブル
フリーランスがハラスメントを受けるケースもあります。たとえば急な仕様変更や納期の前倒しを一方的に要求されたり、報酬を減額されるといった行為です。また、依頼を断ると仕事を回してもらえなくなる、という圧力を感じる場合もあります。
とくに、現場での仕事を伴う契約では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントを受けるケースも報告されています。ネット上で完結する契約であっても、不適切な対応を受ける可能性は否定できません。
こうしたハラスメントを受けた場合は、やり取りの記録を残し、必要に応じて弁護士や専門窓口に相談することが重要です。証拠をもとに適切な対処を行うことで、自分の権利を守れるでしょう。
フリーランスのトラブルの予防策

安心してフリーランスを続けていくには、トラブルに巻き込まれる可能性を最小限に抑えるための予防策を講じることが必要です。そこで以下では、フリーランスのトラブル予防策をご紹介していきます。
- 信用できる企業や個人と取引する
- 契約内容についてクライアントと話し合う
- フリーランスエージェントやクラウドソーシングを活用する
- 契約書を入念にチェックする
- フリーランス向けの保険に加入する
信用できる企業や個人と取引する
トラブルを避ける最善の方法は、信頼できる企業や人と取引をすることです。
あらかじめ慎重にコミュニケーションを取って取引を行うか検討をしたり、企業であれば情報を探すなど、実際の契約前に相手が信頼に足る存在かどうかリサーチすることがおすすめです。
契約内容についてクライアントと話し合う
意図せず生じたコミュニケーションの誤解が、トラブルの原因であるケースは多いです。そこで、トラブルが発生した場合は、訴訟などの手段に進む前に、まずはクライアントとの対話を通じて解決を試みましょう。
クライアントとの話し合いでは、契約内容を再確認し、必要に応じて契約の変更や解除について具体的に協議することが求められます。話し合いを円滑に進めるには、事前に資料を準備し、双方の立場を尊重した誠実な姿勢で臨むことが大切です。
話し合いの過程では、記録を残しておくことを忘れないようにしましょう。メールや議事録などのやりとりを保存しておくことで、後のトラブル防止や訴訟時の証拠として活用できます。
また、連絡が途絶えたり、話し合いに応じてもらえなかったりする場合は、第三者機関や専門家へ相談することも検討しましょう。
フリーランスエージェントやクラウドソーシングを活用する
取引先を紹介してもらえるフリーランスエージェントや、全国の案件に応募できるクラウドソーシングを利用することで、トラブルのリスクを軽減できます。これらのサービスでは、案件の仲介や報酬の支払い管理が行われるため、未払いなどの問題が発生しにくいです。
多くのクラウドソーシングは、基本的に手数料が発生するものの、その分安心して取引できる環境が提供されます。たとえばクラウドソーシングでは、取引の記録を管理してくれるため、万が一の際には証拠を提示しやすくなります。
また、クラウドソーシングは、多様な案件にアクセスできますが、発注者の評価や過去の取引実績を確認してから仕事を受注することが大切です。これならリスクの高いクライアントとの取引を避けられるでしょう。
契約書を入念にチェックする
契約書を交わさずに業務を進めると、トラブルが起こりやすくなるので要注意です。契約内容を事前にしっかり確認し、納得した上で契約書を締結することが重要です。
契約書がない場合、報酬の未払いなどが発生しても証拠がなく、泣き寝入りしなければならないかもしれません。小規模な案件であっても、契約書に報酬額・納期・業務範囲などを明記し、双方が責任を明確にすることでトラブルを防げます。
また、口約束で進めると、後から報酬の減額や無償の追加対応を求められる可能性があるため、細かい条件まで契約書に記載しておくと良いでしょう。
フリーランス向け保険への加入を検討する
トラブルに備えて、フリーランス向けの保険に加入するのも有効な対策です。フリーランス向け保険を提供する会社はさまざまあり、業務中の予期せぬ事態に対応した補償を受けられます。
弁護士費用などの支出がカバーされる保険では、トラブル時も慌てずに済むでしょう。
ただし、情報漏洩や著作権侵害は対象外で、一定の条件を満たす必要もあるため、利用時の注意が必要です。
フリーランスはトラブルがあれば早めに相談して対策しよう

フリーランス・個人事業主として働く中で、取引先とのトラブルのリスクは常にありますが、相談窓口や対策を知ることでリスクは大きく軽減できます。
相談先を知っていれば、報酬の未払い、契約条件の不明瞭さ、ハラスメントなど、フリーランスが直面しやすいトラブルも早期に回避できるかもしれません。
トラブルの予防には、信頼できる取引先との契約や、クラウドソーシングなどの活用など欠かせません。また契約書を入念にチェックして明文化することで、安心して取引を進められるでしょう。
ただし、フリーランスとして自信を持って活動を続けるには、トラブルを恐れすぎずに行動することも大切です。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム