デザイナーに興味があるけれど、必要なスキルや資格、未経験からのスタートに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事ではデザイナーの仕事内容をはじめ、グラフィックデザイナーなど代表的な職種の役割や特徴を解説します。
加えて、必要なスキルや資格について紹介し、未経験からデザイナーを目指すための方法も取り上げます。大学や専門学校で学ぶことのメリットも説明しますので、ぜひご一読ください。
デザイナーの仕事とは?業務内容を解説

デザイナーの仕事とは、視覚的な表現を用いてメッセージを伝え、製品やブランドの魅力を引き出すことです。
グラフィックデザイナーは、広告やWebサイト、アプリのデザインを担当し、ファッションデザイナーは、衣服やアクセサリーのデザインを手がけるなど、デザインの用途もさまざまです。
いずれもデザインの過程では、まずクライアントのニーズに基づいてコンセプトを作成し、色や形、レイアウトの要素などを決定します。
その後、これらの要素を基に作品を作成し、数回の調整を経て、最終的にクライアントの要望に沿ったアウトプットを行います。
そのため、デザイナーには創造力やデザインツールの操作スキルに加えて、クライアントとの円滑なコミュニケーション能力が求められるのです。
未経験からデザイナーになるには?

未経験からデザイナーになるには、まずは基本的なデザインスキルを身につけることが重要です。デザインの基礎を学ぶには、専門的な知識を得られる大学や専門学校が効果的ですが、オンライン講座や書籍、動画教材を活用すれば、独学でもスキルを習得できます。
また、未経験でもアパレルや広告代理店、デザインスタジオなどに就職できれば、実務を通じてデザインの勉強が可能です。ここで得た経験を生かし、未経験からデザイナーとしてステップアップすることもできます。
デザイナーの中には、フリーランスとして活動する人も少なくありません。ポートフォリオを作成し、自分の作品をオンラインで公開することで、実務経験を積みながらデザイナーとしてのスキルを向上させることも可能です。
大学や専門学校で学ぶ

大学や専門学校では、デザインの基本から最新ツールの使い方まで、幅広いスキルを体系的に学べます。デザイン理論や色彩学、レイアウト技法など、基礎から応用まで効率良く習得できるため、スキルアップを目指すには最適な環境です。
卒業時には学位や資格を得られ、就職活動で有利に働きます。学校で学んだスキルは即戦力として活用でき、デザイナーとしてキャリアをスタートさせる際の大きな強みとなるでしょう。
さらに、デザイン科のある高校で基礎を学ぶ選択肢もあります。高校では実際の制作活動を通じてデザインへの理解を深めながら、進学や就職に備えられます。こうした基礎を積んだ経験が将来の進路選択にも大きな影響を与えるはずです。
独学でスキルを身につける

独学でデザイナーを目指すには、まず信頼できる教材を選び、基礎から学ぶことが重要です。オンラインの無料・有料講座やYouTubeを活用するのも効果的ですが、講師やサービスの信頼性を確認することも大切です。
すぐに始められることとしては、Adobe PhotoshopやIllustrator、Sketchなどのデザインツールの習得があります。これらのツールは、公式チュートリアルやデジタルコンテンツのレッスンを通じて学べます。
独学の大きなポイントは、スケジュールを作成し、計画的に学習を進めることです。デザインを制作し、ポートフォリオを作成したら、SNSやWeb上で作品を公開してみましょう。公開することで客観的なフィードバックを受け、モチベーションやスキルの向上につながります。
デザイナーになるために必要なスキル

デザイナーになるためには、実践的なデザインツールを使いこなすスキルが必要です。デザイン業界では、Adobe PhotoshopやFigmaなどのデザインツールが広く使われており、これらを自在に操作できることが前提となります。
加えて、デザイン制作では視覚的な美しさだけでなく、目的に合わせた表現が求められます。たとえば、Webデザインでは読みやすさを重視した色使いや、直感的に操作できるインターフェースが欠かせません。
そのため、色彩やレイアウト、タイポグラフィなどを状況に応じて使い分けるスキルを習得しておく必要があります。
デザイナーとして成功するには、独創性と共にクライアントとの円滑なコミュニケーション能力も不可欠です。クライアントのニーズを正確に把握し、オリジナリティのある作品を提供できれば、評価が高まり、次のビジネスチャンスにつながるでしょう。
デザイン制作にあると有利な資格
デザイナーは資格がなくてもなれますが、資格を取得することで自分のスキルを客観的に示すことができ、就職や仕事の獲得において有利に働く場合があります。
資格取得により専門知識が深まれば、実務においては即戦力として活躍できるようになります。キャリアアップや新たなチャンスを掴む可能性が広がるでしょう。続いて、デザイン制作の分野別に、あると有利な資格をいくつか紹介します。
Webデザイン系の資格
・Webデザイナー検定(ベーシック・エキスパート)
Webデザインの基礎からプロフェッショナルな技術まで学べる資格です。エキスパートレベルでは、SEOやアクセシビリティの知識も深められ、実務で即戦力となるスキルが習得できます。
・HTML 5プロフェッショナル認定資格
最新のHTML 5に対応したWebページの制作スキルを証明する資格で、Webデザインに必要な基礎技術を学べます。
・Google Analytics個人認定資格(GAIQ)
Google Analyticsを使ったデータ解析スキルを証明する資格で、Webサイト運営における効果評価や改善提案に役立ちます。
グラフィックデザイン系の資格
・Adobe Photoshopクリエイター能力認定試験
Adobe Photoshopの操作スキルを証明する資格で、画像補正、合成、ビジュアルデザインの制作に必要なスキルが身につきます。
・Illustratorクリエイター能力認定試験
Adobe Illustratorを使ったロゴやアイコンの制作スキルを証明する資格で、印刷物やデジタルコンテンツのデザイン制作に役立ちます。
・DTPエキスパート認証試験
印刷物の制作に特化した資格で、レイアウトデザインから印刷業務のプロセスまでを習得でき、DTP業界でのキャリア形成に有利に働きます。
UI/UXデザイン系の資格
・UIデザイン検定
UI(ユーザーインターフェース)デザインの基本的スキルや考え方を学び、Webサイトやアプリケーションのインターフェース設計に生かせます。
・UX検定
UX(ユーザー体験)の設計に必要なスキルが学べる資格で、UI/UXデザイン基礎から実践的なノウハウまで習得できます。
・Certified Usability Analyst (CUA)
ユーザビリティとUX設計に関する高度な知識を認定する資格です。UIの改善に特化しており、直観的で使いやすい操作性を実現するスキルが習得できます。
色彩デザイン系の資格
・色彩検定
色彩理論を学び、デザインにおける配色スキルを習得できます。ブランド設計や空間デザインなど、色彩を生かす技術を深められます。
・色彩コーディネーター検定
ファッションやインテリアなど、さまざまな分野における色彩の利用方法を学ぶ資格で、色彩設計や配色技術を身につけられます。
・カラーコーディネーター検定試験 (全日本色彩コーディネーター協会)
色彩に関する知識を深め、プロダクトデザインや空間デザインなど多様な分野での色の使い方を学べる資格です。
デザイナーの職種

デザイナーにはITやファッション、インテリアデザインなどのさまざまな分野があり、それぞれ異なる専門知識やスキルを生かして活躍しています。ここではデザイナーの代表的な職種を紹介し、その職務内容や主な就職先を解説します。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは広告や印刷物、企業のロゴなどの視覚的なコンテンツを制作する専門職です。近年ではデジタルメディアへの対応が増え、SNSやWebサイトなどで活躍の場が広がっています。
職務内容としては、色、形、レイアウトといったデザイン要素を組み合わせ、視覚的に訴求力のあるデザインを作成します。クライアントの要望に基づき、伝えたいメッセージを効果的に表現することが求められるでしょう。
就職先としては、広告代理店やデザイン事務所、企業の広告部門などがあり、フリーランスとして活動するデザイナーも増加しています。
Webデザイナー・UI/UXデザイナー
Webデザイナーは、ユーザーの操作性を重視したWebサイトを設計するのが仕事です。レイアウトや色使い、フォントの選定を通じてブランドのイメージを反映し、HTMLやCSSを使ってデザインと機能の調和を図ります。
UI/UXデザイナーは、ユーザーがより快適に利用できるように、操作性と体験を最適化したWebサイトを設計するのが仕事です。UIデザイナーは操作性やデザインの配置に焦点を当て、UXデザイナーはユーザーが直観的に利用できる体験を作成することを目的としています。
Webデザイナー・UI/UXデザイナーの主な就職先は、Web制作会社やIT企業のデザインチームですが、フリーランスとしての活躍の場も増加しています。
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーは衣服や靴、ウェディングドレスなどのデザインを手がけ、トレンドを反映した商品を作り出します。服飾デザインだけでなく、素材選びや色彩感覚、制作工程まで幅広い知識が求められるのが特徴です。
製品を市場に出すためのマーケティングや販売戦略を一任されることもあり、ブランドのアイデンティティを確立する重要な役割を担います。
アパレルブランドやデザイン事務所が主な就職先ですが、個人でブランドを立ち上げて、オンラインショップを運営する人も少なくありません。
プロダクトデザイナー
プロダクトデザイナーは日常的に使用される製品や道具のデザインを担当し、家電、家具、スポーツ用品などの機能性とデザイン性を兼ね備えた製品を創作します。
デザイン過程では材料や製造方法、使いやすさを考慮し、ユーザーのニーズを反映させることが求められるでしょう。
主な就職先としては、製造業やデザイン事務所が挙げられ、フリーランスとして多様な製品デザインに携わるチャンスも開かれています。
建築・インテリアデザイナー
建築・インテリアデザイナーは、建物の外観や内装のデザインを担当します。近年は環境への配慮が求められ、省エネ設計や再生可能エネルギー、環境に優しい素材の活用スキルが重要視されています。
建築デザイナーは建物の構造や機能を設計するため、建築学の知識が不可欠です。インテリアデザイナーは室内空間のレイアウトや装飾、家具配置を担当し、美しさや居住性を追求します。両職とも大学や専門学校などで学び、資格を取得するのが一般的です。
主な就職先には、建築事務所やインテリアデザイン事務所、住宅販売会社などがあり、住宅から商業施設、公共施設など多様なプロジェクトに関われるのが特徴です。
デザイン業界の新しい職種とその役割

近年、デザイン業界では新たな職種が登場し、従来の枠組みを超えた役割が求められています。これまでのデザイン業務は「創造性」に重点が置かれていましたが、現在では「効率性」や「ユーザー体験の向上」など、時代のニーズに対応するスキルが必要とされているのです。
とくに注目されている職種としては、「Canvaクリエイター」と「デジタルプロダクトデザイナー」があります。これらは異なるスキルセットと働き方を持つ職業で、デザイン業界の新たな潮流を反映していると言えます。
Canva クリエイター
Canvaクリエイターはオンラインデザインツール「Canva」を使い、豊富なテンプレートを活用して短時間でデザイン制作を行う専門職です。特別な知識は不要で、主にフリーランスとして活躍しているのが特徴です。
小規模事業者や個人ブランド向けに低価格でデザインサービスを提供し、デザイン業界の新たなニーズに応えています。また、柔軟な働き方が可能なため、現役デザイナーの副業としても注目を集めています。
デジタルプロダクトデザイナー
デジタルプロダクトデザイナーは、アプリやWebサイトなどのデジタル製品のデザインと操作性を設計する専門職です。ユーザーのニーズを分析し、使いやすく魅力的なデザインを提供することで、企業のサービス向上や新規プロジェクトに貢献します。
そのため、UI/UXデザインに特化したスキルを生かし、開発チームと連携して製品全体の設計を統括する役割が求められます。
就職先としては、IT企業やスタートアップ企業が一般的です。また、デジタルエージェンシーや自社製品を扱う企業のインハウスデザインチームでも活躍が期待されます。
デザイナーに関するよくある質問

Q:グラフィックデザインの単価相場は?チラシやポスターのデザイン相場はいくら?
A:グラフィックデザインの料金相場は、デザインの規模や内容、デザイナーのキャリアによって異なります。名刺などの小規模なデザインは2,000円~5,000円程度、チラシやポスターなどの中規模なものは5,000円~10,000円が一般的ですが、大規模なポスターやパンフレットなどは10,000円以上になることもあります。
Q:デザイン制作は休憩なしで長時間続けるのと、定期的に休憩を取るのでは、どちらが効率的ですか?
A:長時間作業を続けるより、定期的に休憩を取る方が効率的です。休憩を挟むことで集中力が維持され、クリエイティブな仕事でも成果が向上します。健康にもいい影響を与えるため、長期的には作業効率が改善されます。
Q:Webデザインの独立を目指しているが、取材や撮影、企画案の作成から効果検証まで、すべて自分一人で行う必要がありますか?
A:独立する場合でも、取材から効果検証まで一人で行う必要はありません。フリーランスのWebデザイナーとしての仕事は、クライアントとの打合せや企画の立案、デザイン制作、コーディングなどが主な流れです。
広告コンテンツ作成や効果検証は、プロジェクトに応じて外部の専門家と協力することが一般的です。ただし、小規模なプロジェクトやクライアントのニーズがあった場合は効果検証までを一手に引き受けることもあります。
デザイナーを目指してスキルアップを重ねよう!

デザイナーになるには基本スキルを習得し、実務経験を積むことが大切です。未経験から始める場合、資格取得を目標に学ぶことは非常に効果的で、スキルの証明にもなります。
WebデザインやUI/UXデザインなどのデジタルスキルは、業界でのニーズが高まり続けています。これらのスキルは今後ますます重要となり、デザイナーとしての可能性を広げるために欠かせません。
スキルを磨き続け、挑戦し続けることで、デザイナーとして活躍できるチャンスが広がります。独学や専門学校など、自分に合った学習方法でスキルアップを重ねましょう。
執筆者名小佐田 絵海
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム