個人事業主・フリーランスの請求書の書き方は?知っておきたいポイントや注意点を解説

個人事業主 請求書1

「請求書の作成が面倒…」と後回しにしていませんか?しかし取引のトラブル防止や信頼関係の構築には請求書の発行が欠かせないため、書き方を学んでおく必要があるでしょう。

そこでこの記事では、個人事業主やフリーランスの役に立つ、請求書の書き方をご紹介します。正しい請求書を作成することで安心してビジネスを進められて、経理業務の効率化やクライアントとのスムーズな取引も実現できます。

この記事を読み終わる頃には、不安なく請求書を発行できるようになるでしょう。

個人事業主が請求書を発行するべき理由

個人事業主 請求書1

請求書の発行は、個人事業主にとって重要な業務の1つです。ただし法的に義務付けられているわけではないため、発行の必要性を感じない方もいるかもしれません。

しかし、請求書を発行することで取引の透明性が高まり、さまざまなトラブルの防止や経理業務の効率化につながります。

具体的には、以下のような理由により、個人事業主が請求書を発行する意義を見出せるでしょう。

  • 商品やサービスの対価を請求できる
  • 取引が行われたことの証明になる
  • 認識の食い違いを防げる
  • 正確な経理業務を行える

商品やサービスの対価を請求できる

提供した商品やサービスの対価を正確に請求するため、請求書が使えます。口頭での請求も可能ではありますが、書面に残すことで支払い忘れや認識の食い違いを防げるでしょう。

また、請求書には、金額だけでなくサービスの内容・数量・単価などの具体的な情報を記載できるため、取引の透明性が増し、クライアントとの信頼関係も築けます。

さらに、請求書は、会計処理や税務申告の資料としても活用できます。正確な取引内容を記録することで、後々の税務手続きをスムーズに行えるでしょう。

取引が行われたことの証明になる

請求書は、取引の事実を証明する重要な書類です。請求書は税法上の証憑(しょうひょう)書類としての役割を果たし、契約や取引の成立を立証できます。

万が一トラブルが発生した場合でも、請求書を裁判の証拠書類として提出できるため、法的な保護を受けられます。

このように請求書は、取引の証明と紛争時の証拠として役立ち、事業を円滑に進めやすい環境が整うでしょう。

認識の食い違いを防げる

請求書を発行すると、取引における認識の食い違いを防げます。たとえば請求書があれば「注文した商品が違う」「提示された金額が異なる」といった認識の違いが生まれません。

取引後に問題が起きた場合でも、請求書を提示することで取引の事実を証明し、速やかに解決へ導ける可能性があります。

請求書の内容が具体的であればあるほど、クライアント側も内容を正確に理解できます。そのため、請求書があったほうが双方にとって安心といえるでしょう。

正確な経理業務を行える

請求書は、正確な経理業務を行う上でも重要です。請求書には、入金額・支払い期日などの情報が記載されているため、資金の流れを管理しやすくなります。

とくに、デジタル化された経理システムを使用している場合、請求書を発行するとリアルタイムでお金の流れを把握でき、業務効率が大幅に向上します。

個人事業主の請求書の記載項目・書き方

個人事業主 請求書1

請求書は、取引先との円滑な関係を維持するために重要です。とくに、個人事業主にとって正確でわかりやすい請求書の作成は、信頼性の確保につながるでしょう。

以下では、個人事業主が請求書を作成する際、記載すべき項目や書き方について解説しています。ぜひご活用ください。

個人事業主の請求書作成に必要な基本項目

請求書の作成にあたっては、いくつかの必須項目を正確に記載することが求められます。以下では、主要な項目とその書き方をご紹介します。

  • 書類作成者の氏名または屋号
  • 請求書の宛先
  • 請求内容の詳細
  • 消費税
  • 発行日と支払期日
  • 振込先情報
  • 特記事項
  • 請求書番号
  • 適格請求書(インボイス)に関する項目

書類作成者の氏名または屋号

請求書の発行者として、個人事業主の名前または屋号を明確に記載します。実際に書類を作成した人ではなく、請求を行う方の氏名・屋号を記入しましょう。

たとえば、配偶者に作成を依頼した場合でも、記載するのは発行者本人の氏名・屋号です。これで請求書の正当性が保証されるでしょう。

請求書の宛先

個人から会社に請求書を発行する場合は、受取人である発注者の社名・部署名・担当者名を正確に記載します。

取引先によっては、特定の部署や担当者を指定される場合もあるため、事前に確認することが重要です。

個人から個人に送る場合は、相手の氏名の後に「様」を付けます。宛先を間違えると支払い遅延の原因にもなりかねないため、細心の注意を払いましょう。

【記入例】

  • 〇〇株式会社 御中
  • 〇〇株式会社 営業部 佐藤様
  • 田中勝様

請求内容の詳細

請求の対象となる商品名・サービス名・金額・数量を記載します。とくに、数量の記入漏れがないよう確認しましょう。

また、取引先の指示に従って記載内容の調整が必要なケースがあるため注意が必要です。

金額は「円」「¥」のどちらでも記載可能です。

【記入例】

取引日品名数量単価金額
5月13日バナー作成費33,000円9,000円
5月22日写真撮影費101,000円10,000円

消費税

請求書には、消費税の金額を明記します。税率ごとに区分し、それぞれの小計や適用税率を記載しましょう。

軽減税率対象の商品が含まれる場合は、8%と10%の内訳を分けて表示し、取引の透明性を確保します。

発行日と支払期日

請求書には発行日を記載し、取引先が指定した締日と一致させる必要があります。また支払期日については、双方で取り決めた日を明記しましょう。

支払期日を受領から60日以内とすることが法令で定められていますが、支払遅延防止のために、期日は必ず記載しましょう。

振込先情報

銀行名・支店名・口座の種類・口座番号・口座名義を正確に記載します。振込手数料を取引先負担とする場合は、その旨を明記しておきましょう。

特記事項

分割払い、支払期日の変更条件など、特別な取り決めがある場合は特記事項として記載しましょう。あらかじめ取引先と合意しておくことで、円滑な取引ができます。

請求書番号

請求書番号があると、請求内容の管理を簡単に行えます。右上に番号を記載しておけば、請求状況・入金状況の確認がスムーズになるでしょう。

適格請求書(インボイス)に関する項目

2023年から施行されたインボイス制度に対応する請求書では、以下の追加項目が必要です。

  • 登録番号
  • 取引年月日
  • 税率ごとの、商品の合計額
  • 税率ごとの消費税額

登録番号はアルファベットの「T」と、13桁の数字で記載します。適格請求書では取引年月日も記載が必要で、一括請求でなく都度請求の場合は、請求日と取引年月日を一致させましょう。

また、税率ごとの商品の合計額も記載します。税率10%と軽減税率8%、それぞれの記載が必要です。価格の合計は税抜・税込のいずれかで統一して記入しましょう。

税率ごとの消費税額も記入します。1円未満の端数の四捨五入・切り上げ・切り捨ての選択は任意ですが、一般的には切り捨てで計算します。

個人事業主が請求書を発行する際の注意点は?

個人事業主 請求書1

請求書を発行する際は、さまざまなことに注意しなくてはなりません。そこで、ここでは個人事業主が請求書を発行する際の注意点をご紹介していきます。

作成前にチェックしておくと、不安なく請求書を発行できるでしょう。

  • 請求書のフォーマットに定型はない
  • 入念な金額チェックが必要
  • 源泉徴収税の有無を確認する
  • 印鑑は推奨されるが必須ではない
  • 振込手数料の有無を確認する
  • 取引先のルールを事前に確認する
  • インボイスとの誤認に注意する
  • 請求書の保存義務を守る

請求書のフォーマットに定型はない

請求書のフォーマットは、特定の形式に縛られる必要はありません。手書きでもパソコンを使用しても問題なく、とくにパソコンのテンプレートを活用すると効率的に作成できます。

必要項目が含まれていさえすればフォーマットの自由度は高く、取引先の要望に合わせて柔軟に対応可能です。適切な形式を採用し、相手のニーズを反映することが大切です。

入念な金額チェックが必要

請求書の金額が誤っていると、クライアントとのトラブルにつながる可能性があります。Excelなどのソフトを使用して計算を行う場合は、計算式のずれに注意が必要です。

記載する金額は、必ず3桁ごとに区切りを入れ、「1,000円」や「¥1,000-」など正しい形式で表記しましょう。「1000円」のように区切りのない表記は避けましょう。

源泉所得税の有無を確認する

以下のような報酬には、所得税の源泉徴収が義務付けられています。

  • 原稿料や講演料
  • 弁護士など特定の資格を持つ人への報酬や料金
  • モデルや芸能人、スポーツ選手などの出演料
  • 印刷物に掲載する写真の報酬
  • デザイン料
  • 翻訳や通訳の料金

源泉所得税は「売上金額(請求金額)×10.21%」で計算できます。この売上金額は税込・税抜の、どちらを採用しても構いません。

原則は税込金額で計算しますが、消費税額がしっかり区分されている場合は、税抜金額での計算も可能です。

印鑑は推奨されるが必須ではない

請求書に印鑑を押すことは法律上必須ではありませんが、長年の慣習として押印が推奨されます。印鑑を押すことで、相手からの信頼性が増します。

個人事業主の場合は、氏名の横に認印を押すのが一般的です。電子印鑑を利用する場合は、事前に印影をデータとして登録しておくと、その後の請求書で再利用できます。

なお、印鑑には丸印・角印・銀行印などがありますが、請求書では角印を使います。丸印・銀行印は、法人設立時や小切手の発行時などに使われる印であるため、基本的に請求書には使わないようにしましょう。

振込手数料の有無を確認する

請求書を作成する際、振込手数料をどちらが負担するのかを決めておくことが大切です。通常は振り込みを行う側が負担しますが、取引先の要望によって変更になるケースもあります。

なお取引先が手数料を負担しない場合は、請求金額から差し引かれた分を経費として計上できます。この点を考慮して、請求書を作成しましょう。

取引先のルールを事前に確認する

取引先によっては、請求書の書式や項目について独自のルールを設けている場合があります。たとえば、押印が必須であるなどの条件です。

そこで、独自のルールがないかを取引開始前に確認しておき、請求書の再発行も想定しておくとよいでしょう。

インボイスとの誤認に注意する

適格請求書発行事業者でない個人事業主は、誤解を招く表示を行わないよう注意が必要です。誤認される記載を行うと罰則の対象になる可能性があります。

適切に記載されていることを確認し、取引先との信頼関係を損なわないようにしましょう。

請求書の保存義務を守る

個人事業主が請求書を受け取った場合は「確定申告期限の翌日から5年間」の保存義務があります。発行した側に保存義務はありません。

ただし、発行した側で請求書の控えを作成した場合は、保存義務が発生します。また、適格請求書を発行した際は、義務づけられている控えの作成と保存を守りましょう。

請求書の作成方法は3種類

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ビジネスに欠かせない請求書の作成には、さまざまな方法があります。それぞれの方法には利便性や手間の違いがあるため、自身に合ったものを選ぶことが大切です。

本記事では、手軽な手書きから効率化を図るソフトウェア利用まで、3つの請求書作成方法を詳しく紹介します。

  • 市販の請求書に手書きで記入する
  • WordやExcelで作成する
  • 請求書作成ソフトを使う

自社の業務効率を高めるために、最適な方法を見つけましょう。

市販の請求書に手書きで記入する

文房具店などで販売されている請求書を使うことも可能です。記載内容をインターネットで調べる必要がなく、記入しやすいのが特徴です。

PCで作成した請求書よりも、記載内容を改ざんされるリスクは少なくなります。ただし、手書きだとPCで入力するよりも時間がかかり、金額の計算ミスが起こりやすい点には気を付けましょう。

WordやExcelで作成する

WordやExcelで請求書のフォーマットから作成できます。自由にカスタマイズできるため、使いやすい請求書を作れます。

一から作成するのは手間がかかりますが、WordやExcelに対応した無料テンプレートがインターネット上で配布されていることがあり、それをダウンロードして利用すれば作成の手間を省けるでしょう。

請求書作成ソフトを使う

請求書作成ソフトとは、テンプレートに必要事項を入力するだけで、請求書を簡単に作成できるサービスを指します。

従来のようにExcelやWordを使用して手動で作成する場合、数字の入力ミスや二重入力、誤送付などの人的ミスが起こりやすく、さらに、作成後の送付や保管に時間とコストがかかるという問題があります。

一方、請求書作成ソフトを利用すれば、一度登録した情報をもとに自動で入力できるため、金額の誤記や転記ミスを最小限に抑えられます。また、電子発行にも対応しているため、郵送やファイリングといった手間が不要で、保管スペースも要りません。

「作業の一部を自動化して効率を高めたい」「請求書のペーパーレス化を進めたい」「煩雑な業務を減らし、重要な業務に集中したい」という場合は、ぜひ請求書作成ソフトの導入を検討してみましょう。

請求書は注意深く記載しよう

個人事業主 請求書1

請求書の発行は、個人事業主やフリーランスにとって重要です。請求書により取引の透明性を高め、クライアントとのトラブルを防ぎ、経理業務を効率化できます。

また、請求書を発行すると、提供した商品・サービスの対価を正確に請求でき、取引の証明書としても役立つでしょう。

請求書作成の基本項目としては、氏名・請求内容の詳細・消費税・振込先情報などが挙げられます。これらを正確に記載することは、クライアントとの関係を良好にするためにも役立ちます。

一方で、金額の誤記や源泉徴収の確認、取引先のルールへの対応などには注意が必要です。

「請求書を作るのが大変そう」という場合は、請求書作成ソフトを活用すれば、テンプレート入力で効率よく作成でき、電子発行によるペーパーレス化も可能です。

業務負担が軽減されて、重要な仕事に集中できるようになるでしょう。

取引の安全性を保つため、取引先との関係を円滑に保つため、ぜひこの記事の情報を参考に、請求書を作成してみてください。

あなたのビジネスが、さらに一歩先に進むきっかけとなるでしょう。

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執筆者名Ruben

編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム

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