補助金申請代行を依頼先はどこがおすすめ?選び方や費用も解説

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補助金の申請は、自社で完結するには煩雑でハードルが高いものです。

制度の理解、必要書類の準備、採択率を上げる申請書の書き方など、どれも専門知識が求められるため、多くの企業や個人事業主が「申請代行サービス」を活用しています。

しかし、代行業者にも種類があり、料金体系やサポート範囲もさまざま。安さだけで選ぶと、採択されない申請書を作られてしまう可能性もあります。

本記事では、補助金申請代行を依頼する際のおすすめの依頼先や選び方、費用相場について解説します。

補助金の採択率を高めたい方、自力では不安な方に向けて、信頼できるパートナーを見つけるための判断基準を提供します。

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補助金申請代行とは

補助金申請代行とは、国や自治体が提供する各種補助金制度に対し、申請書の作成や手続きの一部、あるいは全体を専門家が代行するサービスです。

補助金の申請は、単に申請書を提出するだけではありません。制度ごとに異なる要件や審査基準をクリアし、事業の実現可能性や社会的意義、収益計画の妥当性などを論理的に構成しなければならず、相応の知識と経験が求められます。

特に「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」「事業再構築補助金」など、人気かつ競争率の高い制度では、採択されるためのストーリー設計と精緻な事業計画書の作成が不可欠です。

このような背景から、補助金申請を検討する中小企業や個人事業主は、士業(行政書士・中小企業診断士など)やコンサルティング会社に申請代行を依頼するケースが増加しています。

代行業者は最新の制度情報を常に把握しており、採択実績や業界特性に合わせたノウハウも蓄積しています。申請書の作成にとどまらず、補助対象経費の整理、添付書類の確認、自治体との事前相談対応までワンストップで支援してくれる場合もあります。

事業者にとっては、申請にかかる時間と手間を大幅に削減しながら、採択率を高める大きなメリットがあります。

補助金申請代行のおすすめ依頼先

補助金申請代行を依頼する際、どの専門家や機関を選ぶかで採択率や対応範囲が大きく変わります。

士業、商工会議所、金融機関、コンサル会社、民間代行など、それぞれに得意領域や料金体系、サポートの質に違いがあります。

ここでは代表的な5つの依頼先について、メリット・デメリット・費用相場を比較します。

依頼先向いている人メリットデメリット費用感
士業(行政書士・診断士など)信頼性重視・法的整合性を求める人制度に強く、書類の説得力が高い戦略構築は不得意な場合もある着手5〜15万 成功10〜15%
商工会議所初めて申請する小規模事業者無料で相談可能、制度に詳しい書類作成はサポート外原則無料
金融機関融資と補助金を併用したい人融資とセット提案、信頼感がある書類作成は外部委託無料(外注費別)
コンサル会社採択率を重視したい企業採れる申請書を戦略から構築高額・実績差が大きい着手10〜30万 成功15〜25%
地方自治体の支援機関地域補助金を活用したい人公的機関で信頼性が高く無料相談が可能代行業務は行わない原則無料(講座等一部有料)

依頼先①|士業(弁護士、税理士、公認会計士、行政書士など)

士業に依頼する最大のメリットは、法的・税務的な裏付けを持った安心感と専門性です。とくに中小企業診断士や行政書士は補助金申請に強く、国の制度に精通しています。

税理士・会計士に依頼すれば、資金繰りや財務諸表の整合性も担保され、書類の信頼性が増します。

書面作成力・根拠の説得力で選ばれるケースが多く、複雑な申請や高額案件では心強い存在です。

ただし、デメリットは「書類作成に特化しがち」な点です。戦略設計や事業計画のストーリー構成が弱くなることもあり、補助金採択率を重視する場合は不十分なケースも。

また、報酬体系は着手金5〜15万円、成功報酬は補助金額の10〜15%前後が相場です。士業資格者による安心感を重視する方におすすめです。

依頼先②|商工会議所

地域の中小企業支援を担う商工会議所は、補助金申請において最も身近で低コストな相談先です。最大のメリットは、原則として「無料相談」で対応してくれる点。事業者登録をしていれば、補助金制度の概要や必要書類の書き方などについて丁寧に教えてもらえます。

特に創業補助金や小規模事業者持続化補助金など、商工会が窓口になっている制度では心強い味方です。

一方で、実務代行はしてもらえず、「あくまでアドバイスのみ」という点がデメリット。また、混雑時は予約が取りづらく、個別に踏み込んだ対応が難しいこともあります。

費用は基本的に無料ですが、書類添削を外部に委託する場合は数万円程度かかることも。自力で申請を進めたい初心者におすすめの選択肢です。

依頼先③|金融機関

メインバンクや信用金庫などの金融機関を通じて、補助金申請をサポートしてもらえるケースも増えています。

最大のメリットは、企業の財務状況や事業計画を深く把握している点です。特に融資と補助金をセットで活用したい場合は、金融機関との連携が有利に働きます。

また、提携する士業やコンサル会社を紹介してもらえるため、安心して外注できるのも魅力です。

ただし、金融機関自体が書類を作成するわけではなく、「紹介業務にとどまる」ことが多いため、代行業者の選定は実質的に別途行う必要があります。

費用は、紹介された士業・コンサルの報酬として10〜20万円前後+成功報酬10〜15%が一般的。自己資金に不安があり、融資とセットで補助金活用を考える事業者に向いています。

依頼先④|コンサルティング会社

補助金申請の代行において、最も採択率重視・戦略型で支援してくれるのがコンサルティング会社です。最大のメリットは、採択傾向や制度ごとの審査基準に基づいた“採れる申請書”の構築力。

市場分析・競合調査・ビジネスモデル設計まで踏み込み、プレゼン資料さながらの説得力ある申請書を作成します。特に事業再構築補助金など大規模案件では、採択実績豊富なコンサルが強みを発揮します。

ただし、デメリットは費用の高さ。着手金10〜30万円、成功報酬は補助金額の15〜25%が相場で、初期費用をかけられない事業者には負担が大きいです。

業者によって品質に差があり、採択実績や対応業種の確認は必須。本気で採択を狙いに行く企業におすすめです。

依頼先⑤|地方自治体が運営する支援機関(産業振興センターなど)

地方自治体が設置する産業振興センターや中小企業支援センターは、地域密着型の補助金支援に強みを持っています。

最大のメリットは、公的機関ならではの信頼性と、原則無料で受けられる丁寧なアドバイスです。

とくに創業期や小規模事業者向け補助金を検討する際には、最新制度の情報提供や事業計画書の添削指導など、実務的な支援が受けられます。

一方で、あくまで「支援機関」であり、申請書の作成や代行そのものは行わない点がデメリット。

また、混雑時や繁忙期には対応が遅くなりがちで、細かい戦略設計までは期待できません。

金額面は基本的に無料ですが、外部講師を招いたセミナーや個別支援が有料となるケースもあります。申請前の情報整理や方向性の確認に活用したい支援先です。

補助金申請代行の費用相場

補助金申請代行の費用は、「着手金」と「成功報酬」の2つで構成されるのが一般的です。

依頼先の種類や申請する補助金の規模によって相場は大きく異なりますが、適切なコスト感を理解することで、失敗しない依頼先選びが可能になります。ここでは代表的な料金体系と相場感を詳しく解説します。

着手金(数万円〜10万円程度)

補助金申請の着手金は、申請書作成やヒアリング、制度選定など初期段階の業務に対する固定費です。

相場は3万円〜10万円程度で、依頼先の専門性や業務範囲によって差があります。たとえば、士業やコンサル会社では詳細なヒアリングや資料精査、事業計画の構築まで行うため、着手金はやや高めになります。

注意点として、着手金は「採択されなくても返金されない」前提であることが多く、リスク分散のためにも過去の採択実績や対応範囲を確認した上で契約することが重要です。

成功報酬(補助金額の5〜15%が相場)

補助金申請代行の成功報酬は、申請が「採択された場合」のみに発生する成果報酬型の料金です。

相場は補助金額の5〜15%が一般的で、高額な補助金制度ほど比率が低く抑えられる傾向があります。

たとえば、事業再構築補助金やものづくり補助金など大型制度では10%前後が主流で、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金のような小規模制度では15%前後が相場になります。

また、成功報酬には「補助金額に対して」「申請額に対して」「実際に交付された金額に対して」など請求基準が異なることもあるため、契約前に明確に確認すべきです。

さらに一部業者では、採択後の実績報告や精算サポートが別料金になることもあるため、成功報酬にどこまで含まれているかをチェックしておくと安心です。

補助金の申請代行の選び方

補助金の申請代行を依頼する際は、「どこに頼むか」以上に「誰に・なぜ頼むか」が成果を左右します。

資格の有無、採択実績、料金体系のバランスを見極めることで、無駄なコストをかけずに採択率を最大化することが可能です。ここでは、依頼先を選ぶ際に見るべき3つの重要ポイントを解説します。

▼補助金の申請代行の選び方
選び方①|資格で選ぶ
選び方②|採択率で選ぶ
選び方③|料金で選ぶ

選び方①|資格で選ぶ

補助金申請は、制度や法律、会計に関する知識が求められるため、依頼先の「資格」は大きな判断材料になります。

たとえば、行政書士は補助金に関する書類作成を業務として認められており、法的に適正な申請を担保できます。

また、中小企業診断士は経営戦略や事業計画の立案に強く、「採択される申請書」を組み立てるうえで有利です。

税理士や公認会計士は財務的な観点から申請内容を補強できるため、金融機関や審査側からの信頼度も高まります。

選び方②|採択率で選ぶ

どれだけ丁寧なサポートがあっても、採択されなければ意味がありません。代行業者を選ぶうえで「過去の採択率」は、信頼性を図る重要な指標です。

特に補助金の審査は年々厳格化しており、制度ごとに傾向や評価ポイントが異なるため、単なる書類代行では通用しません。

採択率を高く保つ業者は、事業の独自性や収益性をどう「見せるか」に長けており、審査員視点で申請書を構成します。実績豊富なコンサルや診断士には、数百件単位での採択事例があり、同業他社の成功パターンを踏まえた提案が可能です。

選び方③|料金で選ぶ

補助金代行の料金は、着手金+成功報酬が一般的で、依頼先によって数万円〜数十万円と幅があります。

そのため、料金だけで判断すると「高いのに結果が出ない」または「安いけれどサポートが不十分」といった失敗を招くこともあります。

選ぶ際は、まず自社の補助金申請の難易度や予算感を明確にし、必要なサポート範囲に見合った料金かを確認しましょう。

2025年9月時点で利用可能なおすすめの補助金・助成金一覧

補助金/助成金名対象事業上限額・目安公式URL
ものづくり補助金中小・小規模事業者が、生産性向上や革新的サービス・設備投資を行う事業補助上限:最大4,000万円(特例あり) https://portal.monodukuri-hojo.jp/ 
IT導入補助金中小・小規模事業者がIT/システム・ソフト導入で業務効率化を図る事業補助上限:約450万円(枠により変動)https://it-shien.smrj.go.jp/ 
小規模事業者持続化補助金小規模事業者(商業・サービス業等 5人以下、製造等 20人以下)が販路開拓・業務改善を図る事業通常枠:上限 50万円(特例枠・加算ありで拡張)https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/jizokuka.html 
事業再構築補助金売上減少企業が事業の多角化・業態転換・新分野展開等を行う事業補助上限は規模に応じて数千万円〜数億円(枠・回次で変動) https://jigyou-saikouchiku.go.jp/ 
省エネ補助金施設運営事業者、工場・店舗等が省エネルギー設備・断熱改修・再エネ導入を行う事業上限額は制度・年度により大きく変動(明示的な全国統一上限は公表されていない)https://syouenehojyokin.sii.or.jp/ 
業務改善助成金中小・小規模事業者が、最低賃金引上げを条件に生産性向上設備・導入を行う事業補助対象費用の一部を助成(助成率 × 対象額、上限額は制度別)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html 
雇用調整助成金売上減少等により休業・教育訓練・出向などを通じて雇用維持を図る事業支給日数:1年間あたり 最大100日分、1人1日あたりの休業手当額に上限ありhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_20200515.html 

補助金①|ものづくり補助金

ものづくり補助金の対象となるのは、日本国内に拠点を持つ中小企業や小規模事業者です。

ここには製造業だけでなく、印刷業、飲食業、サービス業なども含まれ、資本金や従業員数の基準を満たす事業者が応募可能です。

たとえば製造業であれば資本金3億円以下かつ従業員300人以下、サービス業ならより厳しい基準が適用されることもあります。

この補助金が実際に使える場面としては、最新の生産設備や自動化機械の導入、あるいは業務プロセスを支えるICT/システム構築、IoTセンサー等の導入が挙げられます。

さらに専門家の支援費用、外注設計費、クラウド利用料、運搬費までも補助対象になることがあります。上限額は公募枠により異なり、750万円から最大4,000万円近くに設定されるケースもあります。

補助金②|IT導入補助金

IT導入補助金が対象とする事業者は、中小企業や小規模事業者で、働き方改革・インボイス制度対応・業務効率化を目指すところです。

ソフトウェアやクラウドシステム、ハード機器導入を通じて、生産性向上や事務削減を実現したい企業に適しています。

使い道としては、顧客管理・販売管理ソフト、勤怠管理、在庫管理、EC構築、予約システム、クラウド会計ソフトなどの導入が挙げられます。

また、導入にあたるコンサルティング費用や設計費、関連するハードや役務も対象になり得ます。

申請枠には通常枠、インボイス/電子取引対応枠、セキュリティ対策枠、連携型の枠などが設けられ、枠ごとの要件確認が不可欠です。

補助金③|小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の対象となる事業者は、常時使用する従業員数が商業・サービス業等で5人以下、製造業その他で20人以下の小規模事業者が主な対象です。

業種を問わず、小規模で販路開拓や経営改善に取り組む事業者が応募できます。

実際の使い道としては、チラシ・広告制作、Webサイト改修、EC化、施設改装、備品購入、展示会出展、PR動画・撮影、専門家支援などが代表的な用途です。補助率は制度によって異なるものの、経費の一部を補助する枠組みとなっています。

補助金④|事業再構築補助金

事業再構築補助金は、売上減少等の条件を満たした中小企業・中堅企業で、事業の多角化や業態転換、業務の再構築を志す企業が対象です。審査時には、事業計画の革新性や採算性、地域波及効果などが重視されます。

活用用途としては、新分野への設備導入、サービス開発、店舗改装、IT投資、無形資産(設計、技術開発)への投資、外注コスト、広告宣伝などが挙げられます。制度の規模が大きくなる傾向があるため、戦略設計が採択を左右する重要な鍵となります。

補助金⑤|省エネ補助金

省エネ補助金は、エネルギー消費が高い事業者や既存施設を運営している企業が、環境配慮・エネルギー効率向上を目指す際に適用されます。具体的には、工場・オフィス・店舗運営事業者など、施設保有あるいは運営管理を行っている事業者が対象になることが多いです。

使い道は、空調機器や照明設備の高効率化、断熱改修、蓄電池・省エネ機器導入、再生可能エネルギー設備(太陽光発電等)、エネルギーマネジメントシステム(EMS)導入などが中心です。設計・診断に関わる専門家費用も対象となることがあります。

制度名称や枠組みは年度・管轄省庁によって異なるため、最新制度を確認する必要があります。

補助金⑥|業務改善助成金

業務改善助成金の対象となるのは、中小企業・小規模事業者で、最低賃金の引き上げを前提に、生産性向上のために設備投資やコンサル導入、教育訓練を行う事業者です。

従業員を雇用し、一定の条件を満たすことが要件となります。

使い道としては、生産性向上に直結する機械設備や情報機器、業務効率化ツールの導入、専門家支援、教育訓練費などが補助対象になります。ただし、助成金であるため、事業実施後に報告や成果の検証が求められるケースが多いです。

補助金⑦|雇用調整助成金

雇用調整助成金は、売上減少や経済変動などで事業を縮小せざるを得ない事業者が、従業員の解雇を避けながら、休業や出向、教育訓練を実施して雇用を維持しようとする場合に対象となります。事業者が従業員を抱え、一定の条件を満たしていることが前提です。

実際の使い道は、従業員に対する休業手当の補填、教育訓練にかかる賃金補助、出向支援に関する費用補助などが含まれます。

ただし、これは助成金制度であり、常時公募されているわけではなく、特例措置として実施されるケースもあるため、最新状況の確認が不可欠です。

まとめ

補助金申請は「制度を知っている」だけでは通りません。

採択されるかどうかは、依頼先の力量次第。費用や実績、サポート範囲を見極めて、自社に合った専門家を選ぶことが、成功への第一歩です。

小さなコストを惜しんで不採択になれば、得られるはずの支援もゼロ。制度のチャンスを確実に掴むには、信頼できるパートナーとともに“勝てる申請”を仕上げていきましょう。

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執筆者名片山勇大

ライター歴1年

編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム

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