フリーランスのコンサルタントには、大きな魅力と可能性があります。自由に働く場所や時間を選べるので、理想的なライフスタイルを追求できるでしょう。
一方で「収入が安定しない」「案件獲得が難しい」といった課題もあります。それでも自分の専門性を最大限に活かせれば、大幅に収入を増やせる可能性があるでしょう。
そこでこの記事では、フリーランスコンサルタントの実態に迫っていきます。どのようなスキルが必要か、独立後の年収相場はいくらか、注意点は何かなど、詳しく解説しています。
不安なくコンサルタントとして独立できるよう、ぜひ読んでみてください。
フリーランスのコンサルタントとは
企業や組織に属さない個人のコンサルタントとして、スキル・知識を活かして収入を得るのがフリーランスのコンサルタントです。
フリーランスのコンサルタントで成功するには、高い専門性を持つだけでなく、柔軟な対応力と戦略的な行動が重要です。契約やスケジュール調整、プロジェクトの進行など、すべてを自身で行わなければなりません。
大変な面もありますが自由度が高い働き方であり、収入面でも大きなチャンスがあります。フリーランスのコンサルタントとしての働き方を実現するには、自身の強みを活かしながら、クライアントに価値を提供できる道を探していくことが大切です。
フリーランスのコンサルタントの主な仕事内容
フリーランスのコンサルタントは、自身の専門知識・経験を活かして企業の課題解決を支援する仕事です。経営戦略・ITサポート・人事管理まで多岐にわたる分野で活躍し、企業の成長を後押しします。
また、この仕事は主に「常駐型」と「リモート型」の2種類に分けられます。常駐型ではクライアント企業に直接赴き、現場でアドバイスや提案を行います。一方、リモート型はオンラインを通じて支援を行うスタイルで、特にIT関連の案件で選ばれることが多いです。
またフリーランスのコンサルタントの専門分野は、以下のようにさまざまです。
- 経営戦略コンサルタント
- ITコンサルタント
- 人事コンサルタント
- その他の専門分野のコンサルタント
それぞれの分野での仕事内容について、さらに詳しく解説していきます。
経営戦略コンサルタントの仕事内容
経営戦略コンサルタントは、企業の長期的な成長を目的とした戦略を策定し、実行を支援します。市場や競合の分析を行い、企業の強みや課題を見極めたうえで、効果的な事業計画を提案します。
また新規事業の立ち上げ支援や、既存事業の見直しなども行います。業務プロセスの改善やコスト削減といった具体的な提案を行う必要があるため、幅広い知識と実行力が求められます。
ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントは、企業のデジタル化やシステム開発、ITインフラの導入などを支援します。例えばクラウドサービスの導入やサイバーセキュリティ対策、AIを活用した業務の効率化などに関するアドバイスを行います。
さらにプロジェクトの進行管理やリスク評価を行い、技術的な課題を解決することも求められるでしょう。企業が持続的にITを活用できる環境を整えることが、ITコンサルタントの役割です。
人事コンサルタントの仕事内容
人事コンサルタントは、採用活動の支援や人材育成、組織改善のための提案を行います。企業の働き方改革や多様性の推進など、現代の人事課題に対応するプランも提供します。
さらに、評価制度や報酬体系の見直しをサポートし、企業が効率的に人材を活用できるよう支援します。従業員のモチベーション向上や、離職率低下のためのプランを考えるのも、人事コンサルとの仕事です。
その他専門分野のコンサルタントの仕事内容
これまでご紹介してきた分野以外でも、フリーランスのコンサルタントが活躍しています。例えばマーケティングや財務、サプライチェーンといった専門分野が挙げられます。
マーケティングコンサルタントは、市場分析や顧客データを活用して売上拡大を目指す戦略を策定します。財務コンサルタントは、企業の資金計画やコスト削減の支援、サプライチェーンコンサルタントは、原材料の調達から販売までの最適化を図ります。
それぞれの専門家が持つ高度な知識やスキルを活かして、企業の課題を解決するのがコンサルタントです。
フリーランスのコンサルタントになるには?必要なスキルとは
フリーランスのコンサルタントとして活躍するには、複数のスキルをバランスよく身につける必要があるでしょう。ここでは、それぞれのスキルについて詳しく見ていきます。
- 実務経験
- 営業力
- コミュニケーション能力
- 情報収集力
- 自己管理能力
実務経験
コンサルタントとしての実務経験は、顧客からの信頼を得るための武器となります。
会社に所属していた頃は、企業のブランド力が説得力を補完してくれていたかもしれません。しかしフリーランスでは、自身の経歴・実績だけで顧客に評価される必要があります。
具体的な実績や強みを示すと、顧客からの信頼を得やすくなるでしょう。
営業力
営業力は、自身のビジネスを安定させるために必須のスキルです。コンサルティングファームでは営業を上司が担うことが多いですが、フリーランスでは案件の獲得からクライアント対応まで、全て自身で行う必要があるでしょう。
優れた能力があっても、それを顧客に適切に伝えられなければ契約にはつながりません。顧客の課題を的確にヒアリングし、魅力的な提案資料を作成するなど、営業活動に必要なスキルを磨きましょう。
コミュニケーション能力
問題を解決するための提案を行い、それを顧客に実行してもらうのがコンサルタントの仕事です。そのためには、的確なヒアリング力やプレゼンテーション能力が求められます。
とくにフリーランスの場合、経営者など高いポジションの人と直接やり取りを行う場面が多くなります。ビジネスマナーや話し方だけでなく、効果的な報告書を短時間で仕上げるスキルも欠かせません。
こうした多面的なコミュニケーション力を備えることで、仕事の幅が広がります。
情報収集力
ビジネス環境は常に変化しています。そのため、フリーランスのコンサルタントは最新の動向を迅速にキャッチし、顧客に的確なアドバイスを提供する必要があります。
会社員であれば社内で得られる情報も、フリーランスでは自分で取りに行かなければなりません。業界ニュースやセミナーを活用し、自身の専門分野に関連する知識を常にアップデートしましょう。
自己管理能力
フリーランスの働き方は自由ですが、その分だけ厳密なスケジュール管理が求められます。休みを取りすぎると収入が減り、働きすぎると健康を害する恐れがあるでしょう。
適切なペースで業務を進められるよう、タスクの優先順位付けや健康管理を徹底しましょう。
フリーランスのコンサルタントのメリット
フリーランスのコンサルタントになると、以下のようなメリットが得られます。
- 得意分野に集中できる
- クライアントを自由に選べる
- 社内調整が不要
- 収入が増える可能性がある
- 柔軟な働き方ができる
これらのメリットについて、さらに詳しく解説していきます。
得意分野に集中できる
フリーランスのコンサルタントは、自身の得意分野に特化して活動できます。特化した働き方により、クライアントに対して高品質なサービスを提供できるのが強みです。
得意分野があると専門家として信頼されやすくなり、長期的な契約や継続的な仕事の依頼につながることがあります。
クライアントを自由に選べる
コンサルタントに限りませんが、フリーランスは取り組むプロジェクトやクライアントを自身の基準で選べます。
企業で働いていると、望まない仕事や自身のスキルとマッチしない案件に携わることもあるでしょう。しかしフリーランスでは、自分に合ったプロジェクトを選びやすくなります。
さらに実績のあるコンサルタントであれば、クライアントからの需要が高いので、選択肢が増えます。自分が得意とする分野でより効率的に働けるようになるでしょう。
社内調整が不要
フリーランスになると、企業内での人員調整や上司の指示に左右されることがなくなります。迅速かつ柔軟にクライアントの要望に応えられるため、より良い関係を築きやすくなるでしょう。
また自分自身でスケジュールを調整できるため、働く時間や場所をある程度自由に設定できます。
ただし、提携先や業務委託先で働く場合には、それなりのルールや規則を守る必要があることも心に留めておきましょう。
収入が増える可能性がある
フリーランスのコンサルタントの大きな魅力は、収入が増えやすい点です。企業に属する場合と異なり、中間マージンが発生せず、直接クライアントから報酬を受け取れます。
スキルや経験があれば、高額な案件を獲得することも可能です。さらに複数のクライアントと契約を結ぶと、収入の多角化も図れます。
柔軟な働き方ができる
フリーランスのコンサルタントは、自分で働く場所や時間を選べるため、生活スタイルに合わせた自由な働き方が実現できます。例えばリモートワークを活用することで、住む場所に縛られることなく国内外での活動が可能です。
家族との時間や趣味を大切にしたい場合でも、フリーランスのコンサルタントなら、その希望を実現しやすいでしょう。
フリーランスコンサルタントの注意点
フリーランスのコンサルタントは、メリットだけでなく注意すべき点があります。成功するために何に気を付ければ良いのでしょうか。
ここでは、フリーランスのコンサルタントが直面しがちな注意点について解説していきます。
- 案件獲得のために工夫が必要
- バックオフィス業務が発生する
- 収入変動リスクがある
- 責任が重くなる
案件獲得のために工夫が必要
フリーランスのコンサルタントは、案件を自分で見つけて契約まで進めなければなりません。しかし信頼関係を築くのは容易ではありません。
そのため、案件獲得のために工夫が必要です。特に営業力や自己アピール力が重要で、過去の成功事例を分かりやすく提示することが求められます。
また、業界のイベントや交流会に積極的に参加することで、クライアントとのつながりを構築することも大切でしょう。
バックオフィス業務が発生する
フリーランスは、入出金の管理や確定申告などバックオフィス業務を自身でこなす必要があります。専門家のサポートを受ける選択肢もありますが、当然コストがかかります。
このような場合は、会計ソフトやクラウドサービスを活用するとバックオフィス業務を軽減でき、本業の時間を増やせるでしょう。
収入変動リスクがある
フリーランスとして働く場合、収入が安定しないリスクを抱えます。収入が途切れた場合に備え、貯蓄や案件確保の計画を立てておかなければなりません。
費用管理や営業活動の徹底により、収入変動リスクを軽減できます。必要に応じて複数の収入源を持つことも検討しましょう。
責任が重くなる
フリーランスのコンサルタントは、トラブルが発生した場合に責任を負わなければなりません。そのため、専門家の支援を受けるなどして、可能な限りリスクを減らす工夫が大切です。
また、契約書の作成や法務対応、税務処理など業務全般の管理も自身で行う必要があります。時間や労力に加えて専門知識が求められるため、学び続ける姿勢も大切です。
フリーランスのコンサルタントの単価水準・報酬体系
フリーランスのコンサルタントは単価水準や報酬体系を理解していなければ、適切に契約ができず、十分な収入を得るのが難しいでしょう。ここでは、フリーランスコンサルタントの単価水準と報酬体系について解説していきます。
フリーランスコンサルタントの単価水準と稼働日数
フリーランスのコンサルタントは、案件によって大きく単価が異なります。契約内容や稼働日数によって異なるものの、月額50万~200万円前後の報酬をもらうことも不可能ではありません。一例になりますが、人事などを含めたコンサルタント業務を行う場合は、月額100万~150万円が相場とされています。
しかし、稼働日数が収入に直結する点も見逃せません。稼働日数が多い場合は高収入が見込めますが、休暇が多いと当然年収は少なくなることが多いです。
自身のライフスタイルに合わせた稼働計画を立てましょう。
フリーランスコンサルタントの年収と働き方
フリーランスのコンサルタントは、年収に換算して1,200万~1,800万円に達することも珍しくありません。しかし、すべての案件が高単価というわけではありませんし、分野によっても報酬額が異なります。
とくに駆け出しのコンサルタントは、まず単価の低い案件から始めるのが一般的です。また、収入よりも家庭の事情やライフイベントを優先する働き方を選ぶ人もいます。
フリーランスコンサルタントの報酬体系
コンサルタントとして契約する際、報酬体系にはいくつかの種類があります。仕事を始めるにあたっては、以下3種の報酬体系の特徴を理解しておくことが必要です。
- 稼働時間制
- プロジェクト制
- 定額契約制
稼働時間制
稼働時間制の報酬体系では、働いた時間に応じて報酬が決まります。例えば「月額報酬100万円」という案件では、フルタイムでの稼働が前提となり、金額が決まっているケースが多いです。
フルタイムに対する希望稼働率が明記されている案件もあります。その場合、稼働率20%なら月額報酬が20万円になります。
プロジェクト制
プロジェクト制は、案件単位で報酬が設定されます。稼働時間に関係なく、プロジェクトの規模や内容に応じて報酬が変動します。
クライアントが求める稼働率やプロジェクト内での役割が単価に影響することもあるでしょう。ただし、プロジェクトが終了すれば契約も終了するため、プロジェクト制で継続的な収入を得るには、複数の案件を並行して受けることが必要です。
定額契約制
稼働時間やプロジェクト内容に関係なく、一定の報酬が支払われるのが定額契約制です。特定分野での顧問契約やM&Aのサポートを行うアドバイザリー契約で採用されることが多く、安定した収入を得られるのが特徴です。
ただし、定額契約制は、業界内での知名度や実績を持つコンサルタントに限定されることが多いです。知名度が高くないコンサルタントが定額契約制で契約するには、豊富な経験や人脈が欠かせません。
フリーランスのコンサルタントが案件を獲得するコツ
フリーランスのコンサルタントとして成功するには、安定して案件を獲得する仕組み作りが欠かせません。具体的には、以下のことを実践する必要があるでしょう。
- 人脈を活かす
- エージェントサービスを利用する
- SNSやウェブサイトで実績をアピールする
- クラウドソーシングを活用する
人脈を活かす
フリーランスとして独立したら、まずは既存の人脈を活かしてみましょう。以前の職場の同僚や知人に、自身がフリーランスとして活動を始めたことを知らせるだけでも新たな案件につながる可能性があります。
とくに、過去に一緒に仕事をした相手であれば、あなたのスキルや仕事の進め方をすでに知っているので、仕事を依頼してもらいやすいでしょう。
人脈が少ないと感じる場合は、独立前に業界の交流イベントやセミナーに積極的に参加するのがおすすめです。事前にネットワークを広げておくことで、独立後のスタートダッシュがしやすくなります。
エージェントサービスを利用する
フリーランスコンサルタント向けのエージェントを活用すれば、効率的に案件を探せます。クライアントとフリーランスの橋渡しをしてくれるので、駆け出しのコンサルタントにとって心強い味方となるでしょう。
ただし、登録するエージェントは慎重に選びましょう。クライアントとフリーランスの間に入る企業が多い場合、中間マージンが発生して報酬が少なくなることがあります。
できるだけ直取引に近い案件を扱うエージェントがおすすめです。
SNSやウェブサイトで実績をアピールする
SNSやウェブサイトを活用した情報発信は、見込み客を増やすために効果的です。自身の経験や知識を発信し続けることで、専門家として認知されるようになるでしょう。
結果が出るまでに時間がかかる場合も多いですが、興味を持ったクライアントから直接声がかかることもあるので、根気よく続けることが大切です。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングサイトなら、インターネット上で案件を簡単に探せます。案件を公開しているクライアントと直接やり取りできるため、フリーランス初心者でも手軽に利用できます。
応募の際は自身のスキルや専門性を強調することで、他のフリーランスとの差別化が図れます。初めは単価が低くても、小さな実績を積み上げていくと、より高額な案件の獲得につながるでしょう。
フリーランスコンサルタントとして新たな一歩を踏み出そう
フリーランスのコンサルタントは、自由度の高い働き方ができる点や高収入を目指せる点が魅力です。自身の得意分野に特化して働けるため、スキルや経験を活かしてキャリアアップできるでしょう。
しかし、独立には収入の変動リスクや案件獲得の難しさ、自己管理の負担が伴います。また、営業力やコミュニケーション能力、最新の情報収集力も求められるでしょう。
人脈を広げたりクラウドソーシングを活用したり、案件獲得に尽力する必要はありますが、自身の力でクライアントの課題を解決し、新しい価値を提供する充実感は格別です。
ぜひあなたのスキルと経験を最大限に活かして、フリーランスのコンサルタントとして新たな一歩を踏み出しましょう。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム