Google広告やYahoo!広告を使ったマーケティングは、少額からスタートできて成果が見えやすい、初心者にも優しい手法です。
この記事ではGoogle広告とYahoo!広告それぞれの特徴や始め方、運用方法までを徹底解説しています。ユーザー層やデバイスの傾向、費用対効果などについてもご紹介していますので、あなたにぴったりの広告戦略が見えてくるでしょう。
Google広告とは

オンラインで商品やサービスを広めたいと考える人にとって、Google広告は強力な味方です。テレビや新聞といった従来の広告に比べて少額から始められて、幅広いターゲットに効率良くアプローチできます。
テキストで表示されるリスティング広告や動画広告など多彩な形式があり、目的に応じて選べるのも魅力です。広告効果を数字で分析できる点も信頼性が高く、改善を重ねながら成果に繋げやすい仕組みになっています。
費用対効果の高い広告運用をしたいなら、Google広告の種類やメリット、注意点を正しく理解して活用しましょう。
Google広告の種類
Google広告には、以下の5種類があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- アプリ広告
- ショッピング広告
検索に連動して表示されるテキスト形式のリスティング広告は、商品・サービスに興味を持って検索する顕在層に訴求しやすく、購入意欲の高いユーザーにリーチできます。レスポンシブ検索広告や動的検索広告などの自動化機能も充実しており、効率的な運用が可能です。
ディスプレイ広告はバナー画像や動画を使って広範囲に訴求でき、認知拡大やブランディングに強みがあります。Googleディスプレイネットワークを通じ、200万以上の提携サイトに表示されるでしょう。
動画広告はYouTubeを中心に配信され、視覚・聴覚を同時に刺激できます。年代を問わず幅広い層にアプローチできるため、テレビCMのような使い方も可能です。
アプリ広告は、Google検索やGoogle Playなどを通じてアプリのインストールを促進する広告で、細かな配信設定をせずとも広範囲に表示されます。
ショッピング広告は、商品画像や価格などを検索結果とともに表示させて購買意欲の高いユーザーに直接訴求できるため、コンバージョン(※)の増加が期待できます。
※コンバージョン…「購入」など最終的な成果のこと
Google広告のメリット
Google広告の最大の魅力は、世界的な配信ネットワークを通じて膨大な数のユーザーにリーチできることです。
広告費は配信数に応じて変動するため、予算に合わせて柔軟に運用できます。少額から始められるため、テスト配信を行いながら改善していく方法も有効です。
Googleが持つ詳細なユーザーデータを活用できるので、広告のターゲティング精度も非常に高く、効果的な訴求が可能です。
さらに広告レポートで成果を細かく分析できるため、改善点を明確にしながら運用の最適化が進められます。配信後も自由に広告を修正できるので、状況に応じた調整がしやすい点も利便性が高いでしょう。
Google広告の注意点
Google広告には多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点もあります。まず、競合が多いキーワードでは広告費が高くなりやすいです。
入札単価が高騰すると、少ない予算では広告が表示されにくくなります。そのためキーワードプランナーで事前に入札価格や競合性を調査し、適切なキーワードを選ぶことが大切です。
また効果的に広告を運用するには、検索キーワードの選定や広告文の作成などの専門知識が必要です。自社サービスとの関連性が高く、ユーザーの悩みに寄り添った内容を意識して設定することが大切です。
Yahoo!広告とは

オンライン集客を強化したい企業にとって、Yahoo!広告は有力な選択肢となるでしょう。日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を中心に展開されるこの広告サービスは、高い認知度と多彩な掲載先を活かし、効果的なマーケティングを実現できます。
検索結果に直接表示される検索広告や、視覚的に訴求できるディスプレイ広告を選択できるため、目的に合ったプロモーションが可能です。それでは、以下でYahoo!広告の特徴を詳しく見ていきましょう。
Yahoo!広告の種類
Yahoo!広告には、「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類があります。
検索広告はユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果の上部に表示される広告です。商品・サービスに興味を持つ人に対して、効率良く訴求できます。例えば「旅行 ツアー」で検索する人にツアー会社の広告が表示されれば、予約に繋がる可能性が高まるでしょう。
一方ディスプレイ広告は、画像や動画を使ってYahoo! JAPAN内のニュースやメールなどに表示されます。バナーや動画での訴求により視覚的に印象づけやすく、まだ購買意欲がない潜在層へのアプローチに適しています。
どちらの広告もクリック課金型が基本で、広告が表示されただけでは費用が発生しません。ディスプレイ広告には、広告が表示させる回数に応じて課金されるインプレッション課金や、掲載金額や配信量などがあらかじめ決められている予約型広告もあり、予算や目的に応じた柔軟な運用ができます。
Yahoo!広告は掲載できる場所が豊富で、Yahoo! JAPAN内はもちろん提携する外部サイトにも表示されます。配信先は多くが大手メディアや信頼性の高いサイトであるため、ブランドイメージを損なわずに広告展開できるでしょう。
Yahoo!広告のメリット
Yahoo!広告のメリットは、幅広いユーザー層へのリーチと高い信頼性にあります。
特にリターゲティングとの相性が良く、一度訪問したユーザーに再び広告を届けられます。これはユーザーとの接点を継続的に持ちやすい、Yahoo!の特性が活かされた仕組みです。
また検索広告とディスプレイ広告で管理画面が分かれており、それぞれの予算を個別に管理できます。広告初心者に向けた学習コンテンツや無料サポートも充実しており、安心して広告運用を始められるでしょう。
Yahoo!広告の注意点
Yahoo!広告には、いくつかの注意点が存在します。
まず広告の審査が厳しく、ガイドラインに違反した内容は掲載できません。なお審査落ちになると広告は停止されますが、修正後に再申請すれば再び掲載可能です。
また広告の管理画面が複数に分かれているため、慣れないうちは使いづらく感じるかもしれません。さらにGoogleアナリティクスで効果測定するには、パラメーターの設定などの対応が必要です。
Yahoo!広告はクリック課金制のため、人気のあるキーワードを選ぶと単価が上がりやすく、予算を圧迫する可能性もあります。単価の安いキーワードでは費用を抑えられますが、検索ボリュームが少ない場合は効果が出にくくなるため注意が必要です。
Google広告とYahoo!広告の違いは?どちらを選ぶ?

Google広告とYahoo!広告のどちらを利用するか悩んだ場合、それぞれの違いを理解すると適したほうを選びやすくなります。以下ではGoogle広告とYahoo!広告の違いを比較していますので、どちらが自身に向いているかをチェックしてみてください。
ターゲティングの違い
Google広告とYahoo!広告はターゲティング機能に差があります。 Google広告はユーザー属性や購買意欲など詳細なターゲティングが可能で、例えば「子どもの有無」や「特定地域からの距離」で広告配信対象を決定できます。
一方のYahoo!広告は曜日・時間帯や地域ごとの設定が中心で、シンプルなターゲティング項目です。
狭い範囲で特定の条件に合致するユーザーを狙うならGoogle広告、幅広い層にアプローチするならYahoo!広告が向いているでしょう。
ユーザー層の違い
ユーザー層にも大きな違いがあり、Google広告は若い世代やスマートフォン中心のユーザーが多いのに対し、Yahoo!広告は40~50代の利用が比較的高い傾向にあります。
なぜこのような違いが出るのかと言うと、Googleはスマートフォンで気軽に検索する若者が多く、Yahoo!はニュースやメールなどを日常的に使う中高年層が多いためです。
よって ターゲット層の年齢や、デバイスの違いで使い分けるのがポイントです。例えば新卒採用の広告ならGoogleが適していますが、定年後のライフプランの商品広告ならYahoo!が良いでしょう。
広告表示オプションと文字数の違い
広告表示オプションや文字数についても違いがあります。 Google広告はタイトルを3つ、説明文は90文字×2つの計300文字まで設定でき、電話番号・住所表示などのオプションも豊富にあります。
Yahoo!広告ではタイトルは2つまで、説明文は80文字の合計170文字が上限で、オプションもGoogleと比べ簡易的です。そのため広告内容を詳しく伝えたい場合や、多彩な情報で誘導を強化したい場合はGoogle広告が有利です。
配信先と審査時間の違い
広告の配信先と審査時間にも差があります。 Google広告はYouTubeやGmail、マップなど広範囲の自社サービスや提携サイトに配信できますが、Yahoo!広告はYahoo!ニュースや知恵袋など同社サービスが中心です。
さらにGoogle広告の審査は1営業日以内が多いですが、Yahoo!広告では通常1~3営業日かかります。 迅速な配信が必要な場合はGoogle広告を選び、じっくり中高年に届けたい場合はYahoo!広告が良いでしょう。
GoogleとYahoo!の出稿先を選ぶポイント

広告の成果を最大化するには、出稿先となる媒体の特性をしっかり理解することが大切です。ここではユーザー層やデバイスの傾向、予算・目的に応じた使い分けについて解説していますので、出稿先選びの参考にしてください。
ユーザー層の違いを理解する
Google広告とYahoo!広告では、利用しているユーザーの属性に違いがあります。Googleは若年層やスマートフォン利用者が多く、Yahoo!は中高年層やパソコン利用者が中心です。
学生やビジネスマンを対象としたサービスであればGoogleが向いており、定年層や家庭向けサービスならYahoo!の方が適しています。広告の内容が、どの世代やライフスタイルに合っているかを見極めることで、より効果的な配信が可能です。
デバイスの利用傾向を考慮する
広告が想定している閲覧デバイスに合わせて出稿先を選ぶことも大切です。Google広告ではスマートフォン利用者の割合が高いため、スマートフォン向けアプリや若者向け商品と相性が良いです。
一方でYahoo!広告はパソコンからのアクセスが多く、法人向けツールやパソコン周辺機器との親和性が高いと言えます。このようにサービスや商品が使われる場面を想定し、どの端末でアクセスされやすいかを元に出稿媒体を判断しましょう。
予算に応じて使い分ける
広告費が限られている場合、出稿先の効率を見極めて選ぶことが成果に直結します。Googleは国内検索シェア75%以上を占めており、少額の予算でも広範囲にリーチできるため、費用対効果を重視するならGoogle広告がおすすめです。
ただしターゲットが主婦層や高齢者であったり、Yahoo!の提携サイトに掲載したい場合はYahoo!広告への出稿も有効です。予算が確保できるなら、両媒体を併用しながら効果検証を行うと、より最適な配信が行えます。
目的で使い分ける
「アプリを広めたい」「海外市場を視野に入れている」というようなケースではGoogle広告が向いています。YouTubeやGoogleマップなど多様な配信先があるため、スマートフォンユーザーへのアプローチも得意です。
一方で法人メディアのみに出稿したい場合や、パソコン利用が多い層へ訴求したい時はYahoo!広告が効果を発揮します。掲載先の種類や利用者の傾向を考慮して、自社の商品・サービスに最適な媒体を選びましょう。
Google広告・Yahoo!広告のアカウントの開設方法

Google広告やYahoo!広告は登録前に必要な準備や設定方法を知ることで、迷わずスムーズにアカウント開設できます。そこで以下では、それぞれの広告サービスでのアカウント解説方法をご紹介します。
なお広告は、ビジネスカードで支払いをし、経費計上することも可能です。それを踏まえて、解説方法をチェックしていきましょう。
Google広告アカウント開設の流れ
Google広告を始めるには、まずGoogleアカウントの取得が必須です。Googleアカウントの取得にはGmail以外のアドレスも使えますが、その場合は事前設定が必要です。
Google広告は、以下の流れでアカウントを作りましょう。
①Google広告の公式ページにアクセスし「今すぐ開始」をクリックしてログインする
②最初の設定画面では「エキスパートモードに切り替える」を選び、詳細な設定を行う
③「キャンペーンなしでアカウントを作成」をクリックする
④訴求先の住所(日本)、タイムゾーン(日本時間)、通貨(日本円)を設定する
⑤支払い方法を登録する
なお支払い方法の登録時は「請求とお支払い」の画面から、自動支払いか手動支払いを選びましょう。自動支払いは限度額や期間ごとに課金され、手動支払いは前払い方式です。支払い方法はクレジットカード・デビットカード・請求書払いから選べます。
Yahoo!広告アカウント開設の流れ
Yahoo!広告のアカウントを法人で作成する場合「Yahoo!JAPANビジネスID」の取得が必要です。そのため、企業の基本情報(企業名・所在地・電話番号)が載っている自社サイトと、公共料金や納税証明書など住所が確認できる書類を準備しましょう。
メールアドレスに加えSMS認証ができる携帯電話も必要で、自社サイトに記載情報が不足していると審査が通りません。
Yahoo!広告アカウントは、以下の手順で開設します。
①Yahoo!広告の公式サイトへアクセスし、「検索広告」のページから申し込みを開始する
②企業情報と管理者情報を入力した後、SMSまたは音声ガイダンスで電話番号の認証を行う
③認証完了後、メールに送信された6桁の確認コードを入力し、パスワードを設定する
④画面の指示に従って申込内容を確認し、規約に同意すれば完了
アカウント開設後は、資金管理画面から決済手段(クレジットカードまたは銀行振込)を設定することで広告掲載が可能になります。
リスティング広告の運用方法

テキスト形式のリスティング広告で成果を上げるには、戦略と継続的な改善が不可欠です。単に広告を出稿するだけでは十分な効果は得にくいため、キーワード選定や配信設定、コンテンツの質にも配慮が求められます。
ここではリスティング広告の運用方法を、具体的にご紹介していきます。
マッチタイプを使い分けて無駄な配信を減らす
リスティング広告の効果を高めるには、キーワードの「マッチタイプ」を正しく使いましょう。マッチタイプとは、広告が表示される検索語句との一致条件を設定する機能のことです。
「完全一致」は、キーワードと完全に一致する検索語句のみに表示されるため、最も精度が高いです。「部分一致」は表示機会が多くなる反面、関連性の薄い検索にも反応しやすくなります。
そのため広告の表示回数を増やしたい時は部分一致を選択し、無駄なクリックを減らすために除外キーワードの設定を併用すると良いでしょう。
除外キーワードを設定して無関係なクリックを防ぐ
無駄な広告表示を避けるには、除外キーワードの活用が必須です。これは、自社にとって成果に結びつかない検索語句を事前に排除する機能です。
例えば高級志向の商品を販売している場合、「激安」や「安い」といったキーワードで検索するユーザーは対象外となる可能性が高いため、除外することで不要なクリックを防げます。
クリック単価が発生するリスティング広告において、関連性の低いユーザーを除外することは費用対効果の改善につながります。
品質スコアを改善して広告表示の優先度を高める
広告が検索結果に表示される順位は「広告ランク」によって決まります。この広告ランクは「上限クリック単価」×「品質スコア」で算出されるため、品質スコアの向上が欠かせません。
品質スコアは広告文とキーワードとの関連性、クリック率の予測、そしてランディングページの利便性などで構成されます。広告文と遷移先のページに一貫性がない場合はスコアが低下し、掲載順位にも影響が出るため構成の見直しが必要です。
KPIを設計して施策を組み立てる
成果を可視化するには、最終目標を明確にした上でKPI(中間目標)を設定することが大切です。例えば「10件の問い合わせを獲得する」ことがゴールなら、そのために必要なアクセス数やクリック数を数値で決めましょう。
具体的な数値目標があると改善すべき箇所が明確になり、日々の運用も戦略的に進められます。効果検証の視点を持つことで、広告の精度も上がっていきます。
競合分析と差別化で訴求力を高める
自社と同じキーワードで出稿している競合が、どのような広告文を使っているかを把握することも大切です。他社が「初回無料」などの強い訴求をしている場合、同じ表現では埋もれてしまいます。
そこで自社独自の強みや訴求ポイントを明確にして広告文に反映させることで、差別化が図れます。市場の動向や競合の戦略を観察し、自社だけのアピールポイントを磨いていきましょう。
SEOと併用して接触機会を最大化する
「検索結果で1位を取っているから広告は不要」と考えるのは早計です。リスティング広告を併用することで、自然検索では拾いきれない層にもリーチが可能です。
またSEOで獲得した潜在層に広告でアプローチするなど、役割を分けて活用することで効果を底上げできます。検索結果画面への表示面積を広げる目的でも、併用する価値は十分にあります。
Google広告とYahoo!広告を目的に合わせて使い分けよう

Google広告は細かなターゲティングや配信先の多様さに優れ、スマートフォン世代への訴求が得意です。Yahoo!広告は信頼性の高い媒体と中高年層への強いリーチが魅力です。どちらもデータに基づいて運用改善をすると、費用対効果を高められるでしょう。
マーケティングの成果が伸び悩んでいる場合はGoogle広告やYahoo!広告を活用して、自社に合った広告運用をスタートしてみましょう。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム