「フリーランスのゲームデザイナーになるには?」
「どんなスキルが必要なの?」
このような疑問をお持ちの方は多いようです。
ゲームデザイナー(ゲームプランナー)を目指すにあたって「何から始めればいいのか」「自分に向いているのか」「収入は安定するのか」などの不安はつきものです。そのような方はこの記事を読めば、ゲームデザイナーになるための方法や必要なスキル、フリーランスとして成功するコツが分かり、自信を持って憧れのキャリアへの一歩を踏み出せるでしょう。
ゲームデザイナーのなり方

ゲームデザイナーのなり方を知ると将来の目標が具体的になり、安心してスキルアップに取り組めます。 ここでは一般的な、ゲームデザイナーのなり方をわかりやすくまとめていきます。
ゲーム会社で実務経験を積む
ゲームデザイナーになるには、ゲーム会社で実際にゲーム開発を経験するのが近道です。ゲームデザイナーには制作現場全体を理解する力が求められるため、実務経験が大切だからです。
プログラマーなどで活躍して評価されると、ゲームデザイナーに選ばれるケースがあります。まずは得意分野でゲーム制作会社に就職し、経験を積むと良いでしょう。
大学や専門学校で技術を学ぶ
ゲームデザイナーを目指す場合、まずは大学や専門学校でゲーム制作に関わる技術を学ぶのが一般的です。美術系大学や専門学校は、ゲーム制作の専門知識を効率よく学べる環境が整っています。
大学や専門学校では企画やデザイン、プログラミングなどを学べます。就職活動では自分が作ったキャラクターや作品を企業に持ち込み、高評価を得られるとゲームデザイナーへの道が開けるでしょう。
ただし、専門学校を出てすぐにゲームデザイナーになれるケースは少ないです。多くはデザイナー以外のゲーム関連の職種で経験を積んだ後に、ゲームデザイナーに昇格します。
独学でコンテストを活用する
専門学校や大学を卒業しなくても、独学でゲームコンテストを通じてゲームデザイナーになる方法もあります。ただし実務未経験の人がプロになるのは難しく、高度な知識や技術が必要です。
自作のゲーム作品をゲーム会社に直接持ち込んで評価される、または企業主催のコンテストに応募してゲーム会社に見込まれるなどの方法があります。可能性は低いですが、スキルが高ければゲームデザイナーとしての採用チャンスが生まれます。
(※就職後に実務経験を積むほうが現実的)
ゲームデザイナーの仕事内容

ゲームデザイナーの仕事内容を理解すると、ゲーム制作の流れや必要な能力が明確になり、効率的にスキルを伸ばせます。
ゲームデザイナーは、以下のような仕事を行います。
ゲームの企画立案
ゲーム制作の出発点は企画立案です。まずは市場調査を行い、どんなユーザーがどのようなゲームを好んでいるのかを分析します。そのうえで世界観やストーリー、キャラクターや操作方法といったゲームの骨組みを考案していきます。
企画が形になったら、社内プレゼンテーションで関係者に向けて説明しましょう。面白さや売れる見込みを明確に伝える必要があり、論理的な裏付けが求められます。ここで承認が得られなければ、どんなに良い企画でも先に進めません。
仕様書の作成と開発準備
企画が通ったら、次は詳細な仕様書の作成に移ります。仕様書はゲームの設計図のようなもので、システムやマップ、UIの構成など細部にわたる内容を明記します。
チーム全体が共通認識のもとで開発を進めるために、仕様書は欠かせません。仕様書を作る際は曖昧な表現を避け、必要に応じて図解なども用います。開発チームの意見も取り入れながら、実現可能な形にまとめることが大切です。
制作の進行管理とテストプレイ
制作が始まったら、ゲームデザイナーは進行管理を担当します。仕様書通りに作業が進んでいるかをチェックしながら、チーム全体がスムーズに動くように調整します。意見の食い違いが生じた時は、話し合いや指示の見直しを行い、完成に向けて工程を整えていきましょう。
試作品ができたら、テストプレイを実施します。テストプレイではゲームの完成度を確かめ、バグや仕様の不備を洗い出しましょう。必要に応じて修正を加え、クオリティを高めていきます。
リリース後の分析と運用
ゲームは完成して終わりではありません。リリース後は、売上データやユーザーの声を収集・分析します。これらの情報から分かる傾向や課題をもとに、改善やアップデートに反映させます。
さらに、ユーザーが安心して楽しめる環境を保つための運用業務も重要でしょう。ここで得た知見は、次回作の開発にも活かされます。ゲームデザイナーは、発売後も継続的に作品と向き合い続けます。
ゲームデザイナーに必要なスキル

ゲームデザイナーには、以下のようなスキルが必要です。
柔軟な対応力
制作現場で起こる課題やトラブルを解決するには、柔軟な対応力が欠かせません。日頃から積極的にチーム内で対話をして、相手の意見に耳を傾ける姿勢を持ちましょう。柔軟な対応力が身に付けば、スムーズにチーム運営ができるようになります。
コミュニケーション能力
ゲームデザイナーにはコミュニケーション能力も必須です。多くのスタッフや上司と頻繁にやり取りをして、円滑な制作を進める必要があるからです。
プログラマーやデザイナーの意図を理解したり、意見の違いを調整したりしなくてはなりません。相手の状況や考えを想像して対話ができることが、ゲーム作りを成功させるカギです。
企画力と発想力
ゲームデザイナーには高い企画力と発想力が求められます。プレイヤーが楽しめるゲームを考えるには、新しい視点や魅力的なコンセプトが欠かせないからです。
幅広いゲームを遊び、その面白さや特徴を分析すると、オリジナルのアイデアが浮かびやすくなります。また映画や文学などゲーム以外の作品から刺激を受けることでも、発想力を磨けるでしょう。
基本的なプログラムの知識
ゲームデザイナーは、基本的なプログラムの知識があると有利です。開発スタッフとの会話がスムーズになり、制作効率が高まるためです。
ゲームで使われる専門ツールの操作を習得すると、企画やデザインを具体的にイメージしやすくなります。専門学校で基礎を学べるほか、オンライン教材を利用して独学する方法も効果的です。
デザイン力とデッサン力
ゲームの世界観やビジュアルを決めるデザイン力も必要です。ゲームに登場するキャラクターや背景の印象は、プレイヤーがゲームを楽しむ上で非常に大切な要素だからです。
日頃からスケッチを描いたり、現実の景色や物を観察してディティールの表現力を磨いたりしましょう。
プレゼンテーション能力
ゲームデザイナーは、自分の考えや作品をプレゼンする機会が多くあります。企画段階や開発途中で、自分のアイデアを関係者に分かりやすく伝えなくてはなりません。
プレゼンテーション能力を鍛えるには、身近な人に学んだ内容を説明する練習を繰り返し行いましょう。話す機会を増やすことで、本番のプレゼンでも自信を持って発表できるようになります。
ゲームデザイナーがフリーランスになるには?

ゲームデザイナーがフリーランスとして成功するには、会社員以上の努力と自己管理能力が求められます。明確な目標とスキルを持ち、自分の価値を高められる人だけがフリーランスで成功できるでしょう。
以下では、フリーランスになるためのポイントを解説していきます。
専門性を高める
フリーランスとして活躍するには、周囲と差別化できる自分だけの強みを持つことが大切です。同じスキルを持つ人は多いため「この人だから任せたい」と思われる特徴を作りましょう。
例えば特定のジャンルに詳しくなる、スピードや品質を高めるなど、クライアントが求める要素を磨く必要があります。
安定した顧客を作る
良いクライアントを持つことも、安定的に仕事を得るために重要です。以前勤めた会社や取引先とのつながりを活用すると、フリーランスの初期から仕事を得やすくなります。
過去のプロジェクトで評価されれば、同じクライアントから定期的に仕事を依頼されるようになるでしょう。
営業力を身につける
フリーランスは自分から積極的に営業活動をする必要があります。企業は新規よりも既存の取引先を優先するため、待っているだけでは仕事を得られません。
自身のスキルや実績をまとめたポートフォリオを用意してクラウドソーシングを利用したり、SNSで日々発信したりすることで、仕事を取りやすくなるでしょう。交流会やイベントに積極的に参加して人脈を広げたり、エージェントを活用して営業活動を代行してもらったりするのもおすすめです。
自己管理能力とコミュニケーション能力を身につける
フリーランスでは自己管理能力が求められます。仕事量の管理や健康管理を怠ると、納期遅れや収入減につながるため、日々のスケジュールをしっかりと立てることが大切です。
またフリーランスのゲームデザイナーは、対面でなくオンラインでやり取りをすることが多いので、相手の要望を正確に理解して自分の意見を明確に伝えるコミュニケーション力も必要です。
フリーランスのゲームデザイナーの年収・単価相場

フリーランスのゲームデザイナーを目指すなら、年収や単価相場を把握しておくと、収入のイメージが湧きやすくなるでしょう。ここではフリーランスのゲームデザイナーの年収の目安や、案件ごとの単価相場を分かりやすく解説します。
フリーランスのゲームデザイナーの年収の目安
フリーランスのゲームデザイナーの年収は300~800万円と幅が広いです(なお正社員の平均は約488万円前後)。収入の幅が広い理由は、経験年数や担当したゲームの成功によって大きく左右されるためです。
新卒や経験が浅い場合は300万円台が多いですが、実績が増えたり専門技術を身につけたりすると500万円を超えることが多いでしょう。ヒットゲームに関わった人は企業から特別報酬が出ることもあり、年収800万円を超えるケースもあります。
参照元:ゲーム開発者の就業とキャリア形成 2023|一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 技術委員会 人材育成部会
案件ごとの単価相場
フリーランスのゲームデザイナーが受注する案件の単価は、月40万円~が相場です。企業が正社員ではなく外部に発注する理由としては、専門性の高い仕事を効率良く任せられる点や、人件費の調整がしやすいという点が挙げられます。
また担当する内容や仕事量、プロジェクトの規模によっても単価は変動します。経験豊富なデザイナーは月80万円前後ほどの単価になることもあり、スキルを磨けばフリーランスでも高収入を狙えるでしょう。
フリーランスのゲームデザイナー向け案件の探し方

フリーランスのゲームデザイナーとして安定して仕事を得るには、効果的な案件の探し方を知ることが重要です。ここでは、ゲーム業界でフリーランスのゲームデザイナーが案件を見つけるための具体的な方法を紹介します。
クラウドソーシングを活用する
ゲームデザイナーとしての経験が浅い場合、クラウドソーシングの利用がおすすめです。クラウドソーシングには、初心者向けのUIデザインやレベルデザインなどのゲーム関連案件が豊富で、比較的簡単に仕事を受注できます。
短期の案件も多く、ポートフォリオを充実させるための実績作りに最適です。空いた時間を活用してゲーム業界での経験を積みたい人にぴったりの方法です。
フリーランスエージェントを利用する
ゲームデザインの経験がある程度ある場合、フリーランスエージェントの利用が効果的です。エージェントはゲーム会社との交渉や契約手続きを代行し、営業の手間を軽減してくれます。
非公開の高単価案件や、有名タイトルに関わる仕事も紹介されることがあり、スキルに見合った案件を選べます。ゲームデザイナーとして単価やプロジェクトの質にこだわりたい人に最適です。
人脈から案件を得る
前職のゲーム会社や業界内の知人からの紹介で案件を獲得する方法もあります。信頼関係がある相手からの紹介は、安定した仕事や長期プロジェクトに繋がりやすいです。
ゲーム業界のイベントやフリーランス向け交流会に参加して人脈を広げることで、新規案件の紹介を受けやすくなります。コミュニティでの関係構築が得意なゲームデザイナーに向いています。
ゲーム会社へ直接営業する
積極的に案件を獲得したいなら、ゲーム会社への直接営業も有効です。ただし、返信率が低い場合もあるため、複数の企業にアプローチする根気が必要です。
ポートフォリオを充実させ、自身のゲームデザインの実績やスキルを明確に伝えることが重要です。SNSやメールを通じて熱意を示し、企業の採用担当者にアピールすることで、受注の可能性が高まります。
フリーランスのゲームデザイナーのメリット

フリーランスのゲームデザイナーになると、自分の得意分野やライフスタイルに合った働き方ができて、人間関係のストレスも減るでしょう。以下では、フリーランスのゲームデザイナーのメリットを具体的に解説していますので、働き方を選ぶ際の参考にしてみてください。
仕事内容を自分で決められる
フリーランスは、自分で仕事を選べる点が魅力です。会社勤めでは興味のない業務を担当する場合もありますが、フリーランスならやりたい案件だけを選択できます。
好きなジャンルや得意な業務を中心に受注したり、苦手な内容は避けたりできます。自分の理想に近い仕事環境を作れるのがフリーランスの大きなメリットです。
収入アップを狙える
フリーランスの収入は、自分のスキルと努力次第で伸ばせます。会社員では給与が固定されがちですが、フリーランスなら実力や仕事量によって収入が変わります。
高難易度の案件を受ける、効率良く多くの仕事をこなすなど、自分の得意なスタイルで収入アップを狙えるでしょう。実績が増えると高単価の仕事も任されるため、年収を大きく伸ばせる可能性もあります。
制作業務だけに集中できる
ゲーム開発業務だけに専念できる点も魅力です。会社員の場合、管理職になるとマネジメントや教育など制作以外の業務が増えます。
一方フリーランスは管理業務や余計な雑務を任されず、自分の担当する制作に集中できます。クリエイターとして専門性を深め、スキルを高めたい人には適した働き方です。
フリーランスのゲームデザイナーの注意点

フリーランスのゲームデザイナーは自分らしい働き方を実現できますが、会社員にはない難しさもあります。 ここでは、フリーランスを目指す際の注意点について解説していきます。
収入が不安定になるリスクがある
フリーランスは、仕事を得られなければ収入が途切れるリスクがあります。会社員のように毎月決まった給料がないため、収入の安定性が下がります。
以前の職場や知人から定期的に仕事を受注できれば安心ですが、それがない場合はエージェントやクラウドソーシングなどを利用して案件を確保する必要があります。継続的に仕事を獲得できる仕組みを整えることが重要です。
質の悪い案件に注意する
フリーランスは自分で案件を選べますが、内容が悪い仕事に当たる可能性もあります。契約後に仕事内容や報酬が変わったり、長時間労働を求められたりすることも珍しくありません。
そのため契約前の面談で違和感を覚えたら、断る勇気も必要です。質の悪い案件を避けるために信頼できるエージェントを活用したり、業界内で情報交換をしたりすることをおすすめします。
スキル向上と案件探しでフリーランスのゲームデザイナーを目指せる

フリーランスのゲームデザイナーになるには、ゲーム会社で経験を積むことや専門学校で学ぶことが一般的ですが、独学や資格取得でも目指せます。フリーランスは収入や働き方が不安定になるという心配もありますが、専門性を高めて営業力や自己管理を身につければ、自分の理想通りの働き方で高収入も夢ではありません。
まずは自分に合った方法を見つけ、フリーランスのゲームデザイナーの道にぜひ挑戦してみてください。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム