「行政書士に相談するのは、どんなとき?」
「フリーランスはどうやって行政書士を活用すれば良いの?」
このような疑問・質問をお持ちの方は多いようです。
契約書の作成や法人設立、補助金申請などを専門家に任せることで、リスクを回避しながらスムーズにビジネスを進められます。この記事では、フリーランス・個人事業主が行政書士に相談すべき具体的な場面や依頼の流れ、費用の目安までを詳しく解説します。
安心して仕事を続けられるように、ぜひ読んでみてください。
フリーランスが行政書士に相談するのはどんなとき?

フリーランスとして活動する中で、法的な書類作成や手続きに悩むこともあるでしょう。このような場合は行政書士に相談することで、安心してメインの業務に集中できます。
ここでは、フリーランスが行政書士に相談すべきなのはどんなときか、具体的な場面をご紹介します。
- 契約書を作成したいとき
- 会社や法人を設立したいとき
- 融資や補助金の申請をしたいとき
- 知的財産を保護したいとき
- 許認可が必要な事業を始めたいとき
契約書を作成したいとき
取引先と契約する際に、契約書の内容に不備があるとトラブルの元です。そこで行政書士に相談すると適切な契約書を作成してくれるため、リスクを回避して法的に確実な契約書を作成できます。
さらに従業員を雇う際の労働契約や、他のフリーランスに業務を委託する場合の契約も、行政書士のサポートで安心して進められるでしょう。
なお法的紛争を前提とする契約書の場合は、弁護士への相談が必要です。
会社や法人を設立したいとき
株式会社やNPO法人、医療法人などの設立手続きは複雑で、多くの書類作成が必要です。このような場合も、行政書士が力になってくれるでしょう。
定款や議事録の作成・認証の手続き、電子定款の作成代理などを行い、スムーズな設立をサポートします。場合によっては、他の専門家と連携して業務を進めていきます。
補助金の申請をしたいとき
事業運営において、資金調達は重要な課題です。このような場合に、補助金申請時の書類作成をサポートできます。
ただし融資の申請に関する書類作成やアドバイスは、税理士や中小企業診断士の業務となるため、適切な専門家に相談しましょう。
著作権を登録したいとき
自身の創作物やアイデアを守るには、適切な手続きが必要です。行政書士は著作権の登録申請のサポートを行えます。
著作権の登録申請のほかにも特許権・商標権等の移転登録の申請、種苗法に基づく品種登録出願申請など、幅広い業務に対応できるでしょう。
なお特許や実用新案、意匠登録の出願手続きを行政書士は行えないため、この場合は弁理士への相談が必要です。
許認可が必要な事業を始めたいとき
運送業や飲食店、風俗営業など、特定の事業を始める際には、各種許認可が必要です。以下のような手続きを行いたいときでも、行政書士が活躍します。
- 貨物運送事業許可申請
- 旅客運送事業許可申請
- 飲食店営業許可申請
- 風俗営業許可申請
- 古物商営業許可申請
- 旅行業登録申請
煩雑な手続きを専門家に任せることで、スムーズに事業を始められます。
行政書士の独占業務について

行政書士は、特定の業務において独占的な権限を持っています。行政書士法により「官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」という3種類の書類の作成が、独占業務として認められています。
この独占業務について、以下で詳しく解説します。
官公署に提出する書類の作成
行政書士が行う独占業務の1つが、官公署に提出する書類の作成です。官公署とは市役所や都道府県庁、警察署などの行政機関を指します。
この業務には建設業許可申請・宅地建物取引業免許申請・飲食店営業許可申請などの許認可申請が含まれます。申請内容によっては厳しい審査基準があり、個人での対応は難しいため、行政書士がサポートすることでスムーズな手続きができるでしょう。
権利義務に関する書類の作成
行政書士のもう1つの独占業務が、権利義務に関する書類の作成です。これは、特定の権利を発生・存続・変更・消滅させるための書類を指します。
具体的には契約書・遺言書・遺産分割協議書などが該当します。例えば契約書の作成を通じて、取引の安全性を確保できるでしょう。また遺言書を適切に作成することで相続トラブルも防げるため、フリーランスの本業に支障が出ることを防げます。
事実証明に関する書類の作成
事実証明に関する書類の作成も、行政書士の独占業務の1つです。事実証明に関する書類とは、社会生活において交渉の証拠となる文書を指します。
各種議事録・測量図・社員履歴調書などが該当するでしょう。例えば企業の取締役会議事録や決算書類は、会社運営において不可欠な書類であり、行政書士が適切に作成することで会社の信頼性を高められます。
他の法律で制限される業務もある
行政書士は幅広く書類作成を行えますが、税務書類・登記書類・社会保険関係の書類などの作成業務は他の専門資格者に限定されています。例えば法人登記は司法書士が、税務相談は税理士のみが行えます。
しかし行政書士が扱える書類の種類は多く、許認可申請・契約書・事実証明書類など、企業や個人にとって必要不可欠な業務を十分に代行してくれるでしょう。
契約書作成を行政書士に依頼するメリット

契約書の作成は、取引を円滑に進めるために欠かせません。特に中小企業やフリーランスにとっては、契約の内容を明確にして法的なトラブルを未然に防ぐことが重要です。
行政書士は契約書作成の専門家として、法令を遵守しながら事業内容に合った書類を作成できるでしょう。ここでは、行政書士に依頼するメリットについてご紹介します。
- 法令に準拠した契約書を作成できる
- 希望に沿ったオーダーメイドの契約書が作れる
- 許認可が必要な契約書に対応できる
- 中小企業や個人事業主に適した価格帯
- 取引時のトラブルを防止できる
法令に準拠した契約書を作成できる
契約書は法的な効力を持つ文書であり、適切な記載が求められます。行政書士は法律に基づいた契約書の作成に精通しており、取引内容に応じた条項を盛り込むことで、安全な契約を約束してくれるでしょう。
例えば取引条件や支払い方法、違約時の対応などを明確に記載し、契約の曖昧さを排除できます。これなら、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
希望に沿ったオーダーメイドの契約書が作れる
インターネット上には契約書の雛形が多数ありますが、事業の実態に合わないケースが少なくありません。そこで行政書士に依頼すれば、個々の状況に適した契約書を作成できます。
特に業務委託契約では、業務内容や報酬の支払い条件を明確に定める必要があるため、行政書士のサポートを受けると適切な契約を結べて、不利益を避けられるでしょう。
許認可が必要な契約書に対応できる
行政書士は、各種許認可申請の書類作成も得意です。建設業許可や産業廃棄物収集運搬許可など許認可が必要な業界では、契約書の内容が事業の適法性に関わります。
こうした分野で行政書士のサポートを受けることで、許認可要件を満たした契約書を作成でき、ビジネスを円滑に進められるでしょう。なお建設業の契約書などでは、内容によっては弁護士・税理士・社労士との業務範囲に及ぶため、他の専門家との連携も行われるケースがあります。
リーズナブルに契約書を作成できる
大企業では法務部を設置していることが多いですが、中小企業やフリーランスには設置が難しい場合も多いです。行政書士は、こうした事業者向けに、リーズナブルな価格で契約書作成サービスを提供しています。
弁護士に依頼すると費用が高額になりがちですが、行政書士であれば比較的安価に契約書の作成や内容チェックを依頼できます。コストを抑えつつ、契約の適正化が図れるでしょう。
取引時のトラブルを防止できる
契約書の不備が原因で発生するトラブルは少なくありません。しかし行政書士に契約書作成を依頼すれば、事前に問題点を洗い出せて、取引相手との認識の違いを防げます。
支払い条件の曖昧さがあったり、契約解除時の対応が不明確だったりすると、後にトラブルに発展する可能性があります。行政書士のアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
行政書士に依頼する際の費用・成功報酬

行政書士に依頼する際の費用は、業務内容や地域によって異なります。依頼先ごとに料金設定が異なるため、適正な価格を把握することが大切です。
そこで、ここでは行政書士の報酬体系や費用の内訳について解説します。
行政書士に依頼する際の費用
行政書士の報酬には基本料金と、手続きにかかる実費が含まれます。例えば定款作成や許認可申請などを依頼すると、10〜15万円程度の費用がかかるでしょう。
これに加え、定款認証手数料や登録免許税などの法定費用が発生します。そのため極端に安い、または高い費用の場合は、その理由を確認したうえで依頼しましょう。
なおフリーランスが簡単な契約書の作成を依頼する場合などは、3万円程度の費用で済むこともあります。
費用の内訳
行政書士に依頼する際の費用は、以下の5つの項目に大きく分かれます。
- 相談料
- 手数料
- 法定費用
- 作業日当
- 顧問契約料
相談料
行政書士へ相談する際には、1時間あたり3,000〜5,000円程度の相談料が発生します。ただし、初回無料相談を提供している事務所もあります。
手数料
手数料は正式な依頼後に発生する費用で、業務内容に応じて金額が変わります。例えば会社設立時の定款作成は2〜5万円、相続関連の書類作成は5万円程度が一般的です。
法定費用
登録免許税や定款印紙代など、行政機関に支払う手数料が法定費用に該当します。これらの費用は5〜20万円程度になることが多いです。
作業日当
行政書士が出張対応する際に発生する費用で、1日あたり2万5,000〜4万円が相場です。交通費や宿泊費が追加される場合もあります。
顧問契約料
継続的な業務を依頼する場合、月額契約を結ぶのが一般的です。個人向けでは月額1〜5万円、企業向けでは3〜15万円程度が目安です。
フリーランスが行政書士に依頼する流れ

フリーランスが行政書士に契約書作成を依頼する際は、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。以下で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
①問い合わせ
②依頼内容のヒアリング
③契約書のドラフト作成
④契約書の調整・修正
⑤最終確認と契約書の完成
⑥アフターフォロー
①問い合わせ
契約書の作成を依頼したい場合、まず問い合わせから始めます。電話またはメールで、簡単に契約の種類や目的を伝えましょう。
②依頼内容のヒアリング
行政書士が契約書の目的や業務内容をヒアリングします。契約の種類によって盛り込むべき内容が異なるため、正確な情報を伝えることが大切です。
どのような契約書を作成するかを適切に伝えられると、行政書士は契約内容に適した条項を整理し、取引のリスクを最小限に抑えられるよう配慮してくれるでしょう。
③契約書のドラフト作成
ヒアリング内容をもとに、行政書士が契約書のドラフト(下書き)を作成します。取引内容や契約条件を明確にし、法的に問題がないよう調整されます。
法律用語が適切に使われているかを確認し、依頼者が契約内容を理解しやすい形で作成されるのが一般的です。初稿が完成したら依頼者が内容を確認し、修正が必要かを判断しましょう。
④契約書の調整・修正
依頼者のフィードバックを受け、行政書士が契約内容を調整します。文言の変更や条件の追加など、依頼者の意向に沿う形で契約書に修正が加えられます。
また取引相手との交渉が発生する場合、契約がスムーズに締結できるよう行政書士にアドバイスを受けることも可能です。
⑤最終確認と契約書の完成
内容の修正が終わったら、契約書の最終チェックを行います。依頼者と取引相手の合意が正確に反映されているか、法的に問題がないかを確認しましょう。
最終調整が終わった後は署名・押印の準備を行い、正式に契約書が完成します。
⑥アフターフォロー
契約書完成後も、行政書士は必要に応じてサポートしてくれます。契約期間の延長や、法改正に伴う内容の見直しなど、契約書を常に適正な状態に保つことが大切です。
こうした継続的なフォローにより、依頼者は安心して契約内容を管理できるのです。
行政書士選びのポイント

信頼できる行政書士を選ぶことが重要です。迅速な対応や分かりやすい説明、適切なアドバイスを提供してくれる行政書士を見極めることで、スムーズな手続きが可能となるでしょう。
ここでは、行政書士選びのポイントについて解説していきます。
- 迅速な対応をしてくれるか
- 費用や手続きの説明が明確か
- 不利益な情報も正直に伝えてくれるか
- 専門分野を持っているか
- さまざまなケースを想定できるか
- 相談しやすい相手か
迅速な対応をしてくれるか
行政書士への問い合わせに、素早く対応してくれるかどうかは重要です。特にメールや電話での問い合わせに対し、すぐに返信があるかを確認しましょう。
相談者を待たせることなく的確な情報提供ができる行政書士は、信頼できると言えます。対応の早さは、スムーズな業務運営にも直結します。
費用や手続きの説明が明確か
手続きの流れや費用について、明確に説明してくれるかどうかもチェックしましょう。費用の見通しが立てやすくなると、安心して手続きを進められます。
不利益な情報も正直に伝えてくれるか
依頼者にとって都合の悪いこともしっかり伝えてくれる誠実さも、行政書士には求められます。手続きを進める上でのリスクや問題点を、的確に指摘してくれる専門家を選んでください。
例えば、申請が通らない可能性や追加書類が必要な場合など、正確な情報提供をしてくれる行政書士は信頼できるでしょう。
専門分野を持っているか
行政書士には、それぞれ得意分野があります。許認可申請・相続・会社設立など、行政書士が得意とする業務を確認し、自身の依頼内容に合った専門家を選びましょう。
専門外の分野にもかかわらず依頼を受ける行政書士には注意が必要です。このような場合は、行政書士が適切な経験・知識を持っているかを確認しましょう。
さまざまなケースを想定できるか
行政書士に依頼しても、すべての申請が問題なく進むとは限りません。行政機関の審査が厳しく、手続きに時間がかかることもあります。
そのため万が一の事態を想定し、適切なアドバイスや代替案を提案できる行政書士を選びましょう。柔軟な対応ができる専門家であれば、安心して依頼できます。
相談しやすい相手か
特に企業が行政書士に依頼する場合は、長期的な関係を築くことが多くなります。契約書作成や許認可取得など、継続的に相談する機会も増えるでしょう。
そのため、話しやすく、報酬や手続きについても率直に話せる行政書士を選ぶことが大切です。実際に会ってみて、丁寧で分かりやすい説明をしてくれるかを確認しましょう。
行政書士に相談すると契約トラブルを防げる

フリーランスとして活動する際、契約書の作成や許認可申請など、法的な手続きが必要な場面は多々あります。行政書士に相談すると、適切に契約書を作成できるだけでなく、法人設立や補助金申請のサポートも受けられるでしょう。
また知的財産の保護や、事業拡大の際の手続きもスムーズに進められるようになるでしょう。費用は依頼内容によって異なりますが、相談時に見積もりを確認すると安心して依頼できます。
信頼できる行政書士を選び、必要なサポートを受けながら、ぜひフリーランスとしての成功を加速させてみてください。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム