「個人事業主のタクシー運転手に興味がある」
「自由な働き方ができる仕事をしたい」
このような方はいませんか?
近年、個人事業主としてタクシー運転手になる人が増えています。働く時間やスタイルを自分で決められる上、頑張った分だけ収入に直結する魅力的な職業です。
しかし、どのように始めれば良いのか疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、個人事業主のタクシー運転手になる方法を解説しています。
メリットや注意点、平均年収などもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
個人事業主のタクシー運転手とは

個人事業主のタクシー運転手は、タクシー会社に所属せず、独自にタクシー運転業務を行う働き方を指します。一般的には「個人タクシー」と呼ばれることが多く、街中でも頻繁に目にします。
個人タクシーの特徴は、車両の上部に「個人」と記載された表示灯が付いている点です。これにより、法人タクシーとの違いが一目で分かります。
個人タクシーの最大の魅力は、働き方の自由度です。働く日時・時間を自由に調整できるため、急な予定変更にも柔軟に対応できます。また売上が直接収入に結びつくため、働いた分だけ利益を増やせるでしょう。
一方で車両代や保険料、メンテナンス費用などの経費が全て自己負担です。さらに経理処理や税務申告などの事務作業も自分で行う必要があるため、慣れていないと負担が大きくなる可能性があります。
また個人タクシーの運転手になるには、タクシー会社での勤務経験が必要などといった条件があります。一から個人のタクシー運転手を目指す場合、まずはタクシー会社への就職を目指しましょう。
法人タクシーとの違い
法人タクシーの運転手は、タクシー会社に雇用されて働きます。会社の規定でシフトや休日が決まっているため、個人タクシーほどの自由はありませんが、安定した収入が保証されている点はメリットです。
給与は基本的に歩合制ですが固定給の部分があるため、毎月一定の収入が確保できるでしょう。また法人タクシーの場合、車両維持費や保険料は会社が負担するため、自己負担が少ない点も安心です。万が一の事故の際も、会社の保険で対応可能です。
ただし法人タクシーは売り上げの約4割が会社の取り分になるため、場合によっては個人タクシーのほうが収入が多くなることもあります。
20代の若手ドライバーが急増している理由

法人・個人に関わらず近年、20代の若手タクシードライバーが急増しています。SNSやニュースでも注目されていますが、なぜ急増しているのでしょうか。以下でその理由を解説していきます。
- 新卒採用に力を入れたから
- 配車アプリが普及したから
- 柔軟に勤務できるから
- 会社員よりも収入が増える可能性があるから
新卒採用に力を入れたから
タクシー業界は長らく高齢化が進んでいました。平成13年のデータでは、運転手の7割以上が50代以上という状況です。このままでは業界の衰退が避けられず、企業全体の存続にも影響を及ぼすと懸念されていたため、業界全体で若い人材の確保が急務となりました。
特に注目されたのは新卒採用でした。従来は中途採用が主流でしたが、これでは若者の需要を満たせません。そこで2017年には新卒者200人の採用を目標に掲げるなど、積極的な取り組みが行われました。
その結果20代のタクシードライバーが増え始め、業界の若返りが進んでいます。
配車アプリが普及したから
配車アプリの普及が、タクシードライバーの働き方を大きく変えました。アプリを使うと乗客がどこにいるのかが一目で分かり、効率的な送迎が可能です。これにより待ち時間の短縮や、燃料費の削減が実現しました。
さらに配車アプリを利用する乗客が増えたことで、営業機会も増加しています。不慣れな地域での流し営業が減り、特に新人ドライバーにとっては働きやすい環境が整いました。またアプリの評価機能により、接客や運転の質を向上させるモチベーションが高まり、リピーターの獲得にも繋がっています。
柔軟に勤務できるから
タクシー運転手の勤務体制には日勤・夜勤・隔日勤務があります。中でも隔日勤務は、1日働いたら翌日は休むというサイクルで、短期集中型の働き方です。拘束時間が長い反面、休みが多い点が若者に人気です。
この勤務形態では長時間集中して働きつつも、十分な休息が取れます。初めは慣れるまで大変かもしれませんが、多くのドライバーが「自由な時間が増えて充実感がある」と感じています。
会社員よりも収入が多くなる可能性があるから
若いうちにタクシー運転手になると、他の会社員よりも収入が多くなる可能性もあります。基本給に加えて歩合給も受け取れるため、頑張り次第で高収入も狙えるでしょう。
さらに若いうちに経験を積むことで、将来的には個人タクシーという選択肢も見えてきます。個人タクシーは法人タクシーよりも年収が多めの傾向があるので、タクシー運転手を目指す若者が増えているのです。
個人事業主のタクシー運転手になるには

個人事業主のタクシー運転手になるには、一定の条件を満たす必要があります。この目標を達成するには、計画的な準備が欠かせません。
以下では個人事業主のタクシー運転手になる方法を分かりやすくご紹介していきます。
個人タクシーの運転手になるための条件

個人タクシーの運転手になるには、まず法人タクシーで経験を積むのが一般的です。ただし一部の条件を満たせば、ハイヤー・バス・トラックの運転経験でも個人タクシーの運転手になれるケースがあるので、地域の運輸局に確認してみましょう。
タクシー・バス・ハイヤーなど旅客自動車運送事業で、合計10年以上の運転経験も必須です。なおトラック運転手の場合は運転年数の50%のみ、運転経験として加算されます。
そのため個人事業主のタクシー運転手になりたい場合は、早めにタクシー業界に参入するのが推奨されます。遅くとも50代のうちにタクシー業界に入るのが現実的と言えるでしょう。
直近3年間のタクシー運転経験も必要なため、法人タクシー運転手として仕事をした後に個人タクシーの運転手になるのが一般的です。また一部地域のみですが、10年間の無事故無違反が求められるケースもあります。
独立の手続きも必要
個人タクシーの運転手として独立する際には経歴だけでなく、法令遵守状況や資金計画が適切かどうかも、運輸局によって審査されます。特に営業エリアでの居住要件や、過去5年間の違反歴の有無が重要です。
地域ごとに「2年以内に申請を完了する」というようなルールもあるため、試験合格後は早めに申請を行いましょう。例えば2年以内の申請が条件の地域の場合、この期間を超えると再度試験を受け直さなければなりません。
もちろん独立後も経費管理や営業許可の更新など、運営に必要な知識とスキルが求められるでしょう。
個人事業主のタクシー運転手になるメリット

個人事業主のタクシー運転手には多くのメリットがあります。売上がすべて自分の収入になったり、自由な働き方ができたりと、法人タクシーにはない魅力があるでしょう。
以下ではメリットを詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
- 売り上げがすべて自分の収入になる
- 自由な働き方ができる
- 好きな車両で仕事ができる
- 長く働ける
法人タクシーよりも収入が増える可能性がある
個人タクシーは完全歩合制のため、法人タクシーよりも収入が増える可能性があります。法人タクシーも歩合制ですが、手取りから会社の取り分が差し引かれます。個人タクシーは会社に取り分を差し引かれることがないため、効率よく働けば法人タクシー以上の収入を得られるでしょう。
ただし車両の購入費やガソリン代、メンテナンス費用などは自己負担のため、固定費をしっかり管理することが重要です。
自由な働き方ができる
個人事業主のタクシー運転手は、勤務時間や休日を自由に決められる点もメリットです。法人タクシーでは勤務体系が法律で規定されており、1日の拘束時間や月間の勤務時間が制限されています。
また労働時間が制限される「2024年問題」により、法人タクシー運転手の収入は減少傾向にあります。一方で、個人タクシーは天候や体調に応じて勤務時間を調整でき、稼ぎたい時に集中して働けます。
自由な時間を確保しやすいため、プライベートの充実も図れるでしょう。こうした柔軟な働き方は、他の仕事にはない大きなメリットです。
好きな車両で仕事ができる
平成27年に車両の規制が廃止されたことで、個人事業主のタクシー運転手は好きな車両で仕事ができるようになりました。もちろん車両サイズや安全性など運輸局の基準を満たしているのが条件ですが、車好きの人にとって好きな車を仕事に使えることは大きなモチベーションとなるでしょう。
自分の車にこだわりを持ち、仕事を楽しめるのも個人タクシーならではの魅力です。法人タクシーでは車種が限られるのが一般的です。
長く働ける
個人タクシーの定年は75歳までと、法人タクシーの定年よりも長めの傾向があります。「人生100年時代」と言われる中で、年金の受給年齢が上がる傾向もあり、長期間働けることは大きな安心感をもたらします。
また、長く働くことで収入を得る期間も延びるため、老後の資金不足を軽減できます。体力や健康を維持できれば、個人タクシーは年齢を重ねても続けられる仕事です。
個人事業主のタクシー運転手の平均年収

個人事業主のタクシー運転手として働く場合、その年収は個人の働き方や、それぞれの地域の需要により大きく異なります。ここでは個人事業主のタクシー運転手の平均年収をご紹介していますので、仕事を始めるための参考にしてみましょう。
タクシー運転手の平均年収
全国ハイヤー・タクシー連合会のデータによると、法人・個人を含めたタクシー運転手の平均年収は418万9,900円と推計されます。
出典:令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況|一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会
ただしこの数値は地域によって大きく異なり、東京都や大阪府などの都市圏では平均よりも高めの収入が期待できます。都市部で高い年収を得られるのは、乗客数が多く需要が安定しているためです。
特に東京都などの都市部では観光やビジネス需要が多く、売上を伸ばしやすい環境があります。また効率よく稼げる時間帯やエリアを把握することで、収入を増やしやすくなるでしょう。
個人タクシーは更なる高収入を目指せる
個人タクシーでは、稼働時間や営業スタイル次第で平均年収以上の収入も目指せます。例えば固定客を多く持ったり、需要が多いエリアで営業したりすると、収入が増えやすいです。
ただし高収入を得るには車両維持費やガソリン代、修理費用などの経費管理は欠かせません。運営費用を適切に抑えることが、収益性を高めるカギとなります。
個人タクシーの必要経費について
個人タクシーの運転手として活動する際には、主に以下のような費用が発生します。
- ガソリン代… 車の走行距離に応じて変動し、地域や時期によって価格が異なる
- 点検費用…年1回の車検や3か月ごとの定期点検が義務付けられている
- 修理費用…故障やメンテナンス時に発生する
- 駐車場の費用…自宅に駐車スペースがない場合は、有料駐車場を借りる必要がある
- その他の費用…保険料や、年1回のタクシーメーターの検査費用など
これらの費用をしっかり管理することが、収入を安定させるポイントです。
個人事業主のタクシー運転手になる際の注意点

個人事業主のタクシー運転手は、法人タクシーとは異なる責任や負担が伴います。以下では、注意すべきポイントについて解説していきます。
- 自己責任が求められる
- 十分な資金が必要
- 確定申告や事務処理の負担がある
- 事故や車両故障時のリスクがある
自己責任が求められる
個人タクシーの運転手には、会社のサポートが一切ありません。そのため事故やトラブルが発生した場合は、全て自己責任で対処する必要があります。
例えば車両が故障した際の修理代や、車両が使えない間の収入減少なども自身でカバーしなければなりません。さらに、忘れ物やクレーム対応などの顧客トラブルも自ら解決する必要があります。
法人タクシーでは会社が対応をサポートしますが、個人事業主ではこれら全てを自分で管理する必要があります。
十分な資金が必要
個人タクシーとして独立する際には、十分な資金を用意しましょう。初期費用として設備資金・運転資金に加え、車庫の確保にも資金が必要です。さらに保険料や車両維持費も考慮しなくてはなりません。
設備資金・運転資金はそれぞれ最低でも70万円以上が必要と設定されていて、常に確保しておくことが大切です。資金が足りなくなると事業運営に支障をきたすため、資金計画は慎重に行いましょう。
確定申告や事務処理の負担がある
個人タクシーでは、帳簿の管理や確定申告などの事務作業を全て自分で行わなければなりません。通常の営業と並行して行うので、特に慣れないうちは大きな負担になることがあります。
ただし最近は会計ソフトやe-Taxの利用により、手続きが簡略化されつつあります。経理の知識がなくても会計処理を行えるツールが揃っています。
それでも疑問点がある場合は税理士に相談することで、効率的に事務処理を進められるでしょう。
事故や車両故障時のリスクがある
個人タクシーでは車両のトラブルが発生した際に、代車をすぐに用意できない場合があります。修理中は営業ができないため、その間は収入が減少します。
このリスクを軽減するには、日頃から車両のメンテナンスを徹底することが大切です。また事故処理や修理の手続きも自分で行う必要があるため、通常業務と並行して対応するのは大変です。
そこで事前にトラブル時の対応方法を決めておくと、スムーズに対処できるでしょう。
個人事業主のタクシー運転手で、自由な働き方を手にしよう

個人事業主のタクシー運転手として働くことで、自由な働き方を実現できる可能性があります。時間を確保しつつ収入を増やせる点や、好きな車で長く働ける点も大きな魅力です。
一方で、資格や法人タクシーでの経験が必要であり、独立後も経費管理や自己責任での対応が求められます。車両維持費なども発生するので、軌道に乗るまでそれなりの労力・費用が必要でしょう。
しかし個人事業主のタクシー運転手は、やり方次第で高収入も目指せます。まずは法人タクシーの運転手として経験を積み、個人事業主のタクシー運転手としての第一歩を踏み出してみてください。
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム