写真を趣味としている人であれば、「フリーランスのカメラマンになりたい」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
フリーランスのカメラマンになるために資格や学歴は必要なく、独学でも可能です。
ただし、写真の知識や撮影技術については知っておく必要があり、現場での経験も必須といえるでしょう。
そこで本記事では、フリーランスのカメラマンを目指す際の方法や知識、持っていると有利になる資格について解説します。
未経験からでもカメラマンを目指せる方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスのカメラマンとは?

フリーランスのカメラマンとは、会社などの組織に属して活動するのではなく、撮影や編集、営業などをすべて一人で行う仕事です。
会社員と違うのは、法人・個人問わずに自分でクライアントを開拓し、仕事を請け負う必要がある点になります。
そのため、自分の強みを見つけて他のカメラマンとの差別化を図り、ホームページやSNSで訴求するといった工夫も必要です。
カメラマンに限らず、フリーランスには自己管理や営業方法といったスキルが必要とされますが、ある程度の時間や場所の融通が利く点がメリットといえるでしょう。
フリーランスのカメラマンの仕事内容

フリーランスのカメラマンの仕事内容は、記念撮影からイベント撮影など多岐にわたります。
人と関わることが多いため、撮影スキルの他にコミュニケーションスキルも重要な要素です。
ここでは、カメラマンの代表的な仕事を5種類紹介します。
家族やカップルでの記念撮影
人生の節目の行事はプロに写真を撮ってもらいたいと思う人が多く、記念撮影は需要の多い仕事といえます。
- お宮参り・七五三
- 幼稚園・保育園・学校行事
- 習い事の発表会
- ウェディングフォト
- マタニティフォト
- ニューボーンフォト
- ペットの写真
スタジオ撮影はもちろん、屋外で撮影をすることも多く、撮影後にAdobe Photoshopなどを使用しての補正作業も含まれます。
行事撮影は撮影案件の大半を占めることが多いため、ネット上や身近なところでイベントに関する情報にアンテナを張っておくのが重要です。
また最近では、撮影時の様子や撮影写真などをSNSにアップして、集客につなげる手法も多く取られます。
商品の撮影
商品販売のための写真撮影は、写真の出来栄えが売上に影響するため重要な仕事です。
例えば、フードカメラマンであれば被写体を美味しく見せるスキルが必要になります。
また、商品が美しく撮影できるようなライティングや構図決め、レンズ選びも重要です。
依頼者の要望やコンセプトに沿って撮影をするという点はもちろん、商品の魅力を引き出すセンスも必須といえるでしょう。
会社・建物撮影
会社のパンフレットやポスター、ホームページに掲載する写真や、不動産会社の物件撮影などを担当します。
パンフレットなどの撮影は、社内風景や外観など撮影シーンの幅が広く、より高いスキルが必要とされる案件です。
また、不動産は物件が空けば撮影が入るため、需要の高い仕事です。
物件の外観・内観の他に近隣施設を撮影する場合もあり、撮影後にはデータの修正なども行います。
イベント・パーティー撮影
イベントやパーティー撮影は、撮影時間や撮影枚数が多く高単価となります。
- 企業のイベント・パーティー
- セミナー・講演会
- 展示会
- 懇親会
- 式典
- コンサート
- スポーツ
特別な瞬間を記録として残すのが目的になるため、感動的な瞬間を撮り逃さない集中力や瞬発力が求められます。
ポートレート・プロフィール写真撮影
ポートレートは人物を被写体とした写真であり、望遠レンズを使用して背景をぼかし、人物を際立たせた撮影法が良く使われます。
以下のような用途に合わせて表情やポージングの提案ができるように、日ごろからさまざまなポートレート写真を参考にしておくのがおすすめです。
- 履歴書用写真
- プロフィール写真
- ビジネス用写真
- オーディション用写真
- 婚活用写真
また、事前の聞き取りや撮影中のコミュニケーションも重視されるため、リラックスしてもらえるような会話を心がけましょう。
カメラマンに向いている人

写真を綺麗に取る技術はもちろんのこと、カメラマンにはさまざまなスキルが求められます。
また、魅力的な写真を撮れるようになるためには、日ごろから撮影知識や技術を深めるのに加え、センスを磨くことも重要です。
コミュニケーションを取るのが得意
カメラマンは撮影だけではなく、レンズを通して被写体と触れ合うのも仕事のひとつです。
そのため、職人気質な人よりも、周囲とのコミュニケーションを取れる人の方がカメラマンに向いているといえます。
フリーランスで活動するのであれば、営業活動も自分で行う必要があるため、コミュニケーションスキルは必須です。
自分のスキルをアピールしたり、相手のニーズに合わせた提案を行ったりするシーンは必然的に多くなります。
「この人に仕事を任せたい」と思ってもらうためには、積極的にコミュニケーションを取れる人のほうが有利といえるでしょう。
集中力や体力に自信がある
カメラマンは、重量のある機材を運んだり、じっとカメラを構え続けたりするため、それなりの体力が必要です。
また、依頼内容によっては、悪天候の中といった厳しい環境下での撮影に臨むこともあり、忍耐力を求められるケースも考えられます。
環境や天候の良し悪しで写真のクオリティが左右されてしまわないためには、集中力や体力は重要な要素となるでしょう。
情報のアップデートができる
カメラマンの技術や機材、編集ソフトは進化を続けているため、常に新しい知識を取り入れ、柔軟に対応できる能力が必要です。
貪欲に新しいものを取り入れられる人は、プロのカメラマンとして生き残りやすくなるといえるでしょう。
また、クオリティの高い写真を撮り続けるためには、センスや感性を磨くことも忘れてはいけません。
芸術や美術に触れたり、映画鑑賞や旅をしたりすることで色々なものに触れ、インプットを怠らない人はカメラマンに向いているといえます。
未経験からフリーランスのカメラマンになるには?

必要なものを揃えたら、実際にカメラマンとして撮影や編集のスキルを身につけましょう。
ここでは、カメラマンの経験を積める3つの方法について解説します。
アシスタントとして経験を積む
たとえば会社に就職してアシスタントとしてサポートに回ることで、実際の案件に携わることができ、経験を積むことができます。
アシスタントの業務ですが、撮影の機会は少なく、撮影補助や機材の準備などがメインになるケースが殆どです。
ただし、プロカメラマンの仕事を近くで見られるため、撮影方法や機材の扱い方などを学ぶことができます。
また、レンタルスタジオで働くと、スタジオを利用したカメラマンに勧誘される事例もあります。
フリーランスのカメラマンは人脈が必要になる職業であることから、技術の取得と人脈形成のために、まずはアシスタントからスタートしてみるというのも選択肢の一つです
スクールで学ぶ
全くの未経験からフリーランスのカメラマンになるのは難しいため、スクールで学んでから独立する方法もあります。
スクールはカリキュラムが組まれるため効率的な学習が可能で、短期間で知識や技術の取得ができる点がメリットです。
ただし、高額な費用がかかるケースも多いため、スクール選びは慎重に行いましょう。
カリキュラム内容や学習期間などについて、説明会や体験会に参加して情報を集めてから検討するのがおすすめです。
独学で勉強する
今はインターネットを利用すると、カメラマンに関するたくさんの情報が手に入ります。
他にも、本やYouTubeを見て学習するという方法もあるでしょう。
ただし、実際に経験を積むという点では、独学では難しい面があるのも事実です。
そのため、独学で知識や技術を磨いたのち、プロカメラマンのアシスタントとして経験を積む人も多くいます。
フリーランスのカメラマンとして活動する準備

カメラマンの仕事内容や勉強方法が理解できたら、本格的な準備を始めましょう。
必要なスキルを身につける
カメラマンと名乗るために必要な資格はありませんが、以下のようなスキルを必要とします。
【カメラマンに必要なスキル】
カメラを使うスキル | 中級機以上の一眼レフカメラ、ミラーレスカメラを使いこなせるスキル |
撮影スキル | レンズ選定やホワイトバランス、シャッタースピード、絞りの調整配置やポーズの的確な指示 |
コミュニケーションスキル | 営業や交渉を行う被写体の緊張を解す、子どもの興味を引く |
編集・現像スキル | 編集ソフトの操作、レタッチや現像の技術 |
スキルも重要ですが、人の心を動かす写真が撮れるセンスや感性も重要な要素となります。
機材を揃える
スキルについて理解できたら、写真撮影に必要なものを揃えましょう。
最低限必要なものは、以下の6つです。
- デジタル一眼レフカメラ
- ズームレンズ
- 単焦点レンズ
- 三脚
- ストロボ
- カメラバッグ
- 編集用パソコン
特にバッグについては、重さや持ちやすさにより疲労度が全く違うため、自分に合うものをしっかり吟味し、妥協しないで選ぶのがおすすめです。
また、カメラマンは写真の編集までを担当することが多いため、編集ができる機能やソフトに対応したパソコンを使用するようにしましょう。
ポートフォリオを作成する
スキルを身につけ機材を揃えたら、仕事を取りに行くためのポートフォリオを整えましょう。
ポートフォリオとは、自分のプロフィールや作品を載せて、スキルや実力をお客さんにアピールするためのものです。
質の高い作品が載っていれば、お客さんからの依頼のきっかけになるかもしれません。
ポートフォリオの無料テンプレートの活用や、余裕があればホームページを作成しても良いでしょう。
また、既に活躍しているカメラマンのポートフォリオを参考にしてみるのもおすすめです。
フリーランスのカメラマンの案件獲得方法

ポートフォリオを整えたら、案件獲得のための営業活動を始めます。
営業にはさまざまな手段があるため、自分に合った方法で挑戦してみましょう。
人脈を作って仕事を獲得する
カメラマンに限らず、フリーランスとして活動するためには人脈の広さが重要となります。
人脈が広いと紹介からの依頼が入る可能性があるので、人と会う際には人脈作りを意識した立ち回りを考えましょう。
既に信頼関係が築かれている人からの紹介を受けるため、紹介された相手との信頼関係を築きやすいメリットもあります。
普段から挨拶の仕方や会話のテクニックなどを意識し、相手の印象に残るような会話を心掛けるのも大事です。
SNSやホームページを運用する
拡散されやすいSNSや、誰でも見ることができるホームページなどを活用して営業をするのもひとつの方法です。
自分だけの強みを伝えられる投稿やポートフォリオの掲載、複数のSNSでの発信などでアピールしてみましょう。
できれば、こちらから営業をかける必要がなく、SNSなどを目にしたお客さんから依頼をしてもらえる流れが理想といえます。
SNSやホームページで営業の仕組みができていれば、営業にかける時間を他の仕事に回せるため、時間を有効に使えるためおすすめです。
クラウドソーシングを利用する
営業活動が苦手であれば、クラウドソーシングを活用するのがおすすめです。
複数のクラウドソーシングに登録してみて、自分に合っているところで案件を探してみるのが良いでしょう。
クラウドソーシングであれば在宅での営業も可能なため、時間に融通が利き、他の案件との両立もしやすいのもメリットです。
たとえば、お試し価格を設定して依頼の間口を広げる試みをし、、実績を積んだり、リピーターを獲得していくのもよいでしょう。
持っていると有利なカメラマンの資格

フリーランスのカメラマンになるために必須な資格はありませんが、持っていると有利になる資格がいくつかあります。
国家資格や文部科学省後援の資格を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
写真技能士
技能検定制度は働くうえで必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、その中のひとつが写真技能士です。
技能検定は等級区分されており、試験の程度も異なります。
【技能検定の等級区分】
特級 | 管理者または監督者が通常有すべき技能の程度 |
1級 及び 単一等級 | 上級技能者が通常有すべき技能の程度 |
2級 | 中級技能者が通常有すべき技能の程度 |
3級 | 初級技能者が通常有すべき技能の程度 |
試験に合格すると、厚生労働大臣名(特級、1級、単一等級)または都道府県知事(2級、3級)の合格証書が交付され、「写真技能士」を名乗ることが可能です。
写真技能士の検定では、写真の歴史や機材の知識、デジタル画像理論なども科目に含まれ、実技試験も実施されます。
国家資格はその信頼性の高さから、カメラマンとして活動する上での大きな武器となるでしょう。
参照:厚生労働省 技能検定試験について 中央職業能力開発協会 技能検定のご案内
フォトマスター検定
フォトマスター検定は、文部科学省後援・公益財団法人国際文化カレッジが主催をしている検定試験です。
試験は3級からEXまで、5段階の難易度別に用意されており、写真を始めた方から指導者まで幅広い受験者がいます。
【フォトマスター検定階級】
EX | ・フォトマスター1級合格者のみが受験可能 ・高度な実用知識を前提に、作品創作力や写真活動実績、あるいは指導性などの総合評価により認定 |
1級 | ・写真教室の指導者を目指すレベル ・知識、技法の熟達を目指すステップ ・高度な知識技法が試される |
準1級 | ・趣味を極めるレベル ・大きく差をつけるステップ ・上級程度の知識と技法が試される |
2級 | ・趣味を深めるレベル ・より写真の知識を深め、楽しむステップ ・一般的~中程度の知識と技法が試される |
3級 | ・趣味として楽しむレベル ・基礎、基本を確実にするステップ ・基本的な知識と技法が試される |
プロのカメラマンとして活動するのであれば、写真教室の指導者レベルの知識やスキルが求められる1級の取得を目指すのがおすすめです。
Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
Photoshop(R)クリエイター能力認定試験は、画像編集ソフト「Photoshop」のスキルレベルを測る試験です。
【Photoshop(R)クリエイター能力認定試験・認定基準】
エキスパート | ・クライアントのニーズに対応した創造性の高いコンテンツの制作 ・デザインコンセプトや表現の目的に応じた適切な機能の選択や表現 ・DTP/Webデザインに関する基本的な知識 |
スタンダード | ・指示通りの作業を正確かつ合理的に行う ・作業指示書に基づいた製作 ・Photoshopの基本的な操作 |
参照:Adobe Photoshop(R)クリエイター能力認定試験 試験概要
カメラマンの仕事には、撮影後の写真のレタッチや加工も含まれるため、編集加工スキルの高さが写真の出来栄えに直結するケースも考えられます。
そのため、編集スキルを証明できる資格があると便利です。
また、プロとして顧客のニーズに沿った作品を提供するのが目標であれば、いずれは「エキスパート」の取得を目標にしても良いでしょう。
まとめ:フリーランスのカメラマンは資格や学歴に関係なくなれる職業
フリーランスのカメラマンは、資格や学歴にとらわれず、未経験や独学からでもなれる職業です。
カメラマンは、カメラについての知識はもちろん、コミュニケーションスキルや編集技術が必須となります。
また、フリーランスとして独立するには、自己管理能力や人脈作りも重要な要素です。
まずは知識と実務経験を重ねて、独立へ向けての準備を始めてはいかがでしょうか。
執筆者名佐藤 玲子
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム