税理士事務所の代表を務める河南恵美さんは、「自営業専門の税理士」です。個人事業に特化した税理士事務所であることから、請け負う仕事の内容もその趣旨に沿うように絞っていると言います。
そこで今回は河南さんに、「副業」などに関する質問に回答してもらいました。副業はもちろんのこと、確定申告や税理士選びにお悩みの方は、ぜひご一読ください。
税理士に「副業」に関する7つの質問!自営業専門の税理士・河南さんの回答とは?
本記事では、副業に関する質問を7つピックアップしています。なお質問は、YouTube番組「人生の分岐点」で実施した街頭インタビューにて集められたものです。
Q1. 副業で稼いだ場合の収入はどうすればよいですか?確定申告は必要でしょうか?
Q2. 最近「副業」をよく耳にします。副業をしている人は増えているのでしょうか?
Q3. 副業にはどのような仕事がありますか?自宅でできる副業もありますか?
Q4. 副業や転職の際に役立つスキルや資格はありますか?
Q5. 副業の請求書について気を付けることはありますか?
Q6. 毎年の確定申告が苦痛です。よい方法はありますか?
Q7. 税理士さんに確定申告を依頼したいです。どこでお願いできますか?また、どのような税理士さんにお願いするとよいでしょう?
Q1. 副業で稼いだ場合の収入はどうすればよいですか?確定申告は必要でしょうか?
A1. 金額によっては確定申告が必要になる場合があります。ただし、不要な場合もあります。
確定申告とは、1年間の所得金額に応じた所得税の額を計算し、税務署に申告する一連の手続きのことです。
個人事業主や自営業者はもちろんのこと、会社員の人であっても、副業などで利益を得ていれば申告が必要となるケースがあります。
一方で、確定申告が不要な場合もあります。
河南さんによると、「会社員として働きながら副業をしている場合、売上から経費を引いた金額が年間で20万円以下であれば、確定申告は不要」とのことです。
当然ながら、所得が年間20万円以上になるようであれば、確定申告が必要になります。
自分自身は確定申告が必要か、毎年きちんと確認するようにしましょう。
Q2. 最近「副業」をよく耳にします。副業をしている人は増えているのでしょうか?
A2. 税理士である河南さんの肌感としては、副業をする人は【増えてきている】そうです。
質問に対し、河南さんは「実際に副業をしている人以外に、キャリアをアップしたい・収入をアップさせたい、という理由で副業に興味を持つ方が増えてきていると感じます」と話します。
番組の司会進行であるフローリストの前田有紀さんは「企業では副業を禁止している所も多いと思います。『副業解禁』という言葉が生まれているように、副業を禁止しないように変わってきているのでしょうか?」と質問を追加します。
それに対し、河南さんは「徐々に、大企業から副業解禁する会社さんが増えてきていると思います。本業と副業の相乗効果が出る(見込みがある)ということで、(副業を)推奨する企業さんも出ています」とコメント。
前田さんは「副業を解禁している(企業)を中心に、キャリアを選ぶのも良いかもしれないですね」と河南さんの回答に頷きました。
Q3. 副業にはどのような仕事がありますか?自宅でできる副業もありますか?
A3. 時代の変化もあり、自宅でできる副業の種類は増えています。
質問について、河南さんは「スマホ、またはパソコンが1台あればできる副業の種類がどんどん増えてきていると感じています」と回答します。
それを聞いた前田さんは「例えばライター業は家でもでき、副業にもなりそうですよね」と頷きました。
Q4. 副業や転職の際に役立つスキルや資格はありますか?
A4. 資格は無いよりあったほうが便利ですが、必ずしも必要ではありません
河南さんは、資格について「必ず必要ではないと考えている」と前置きしつつも、「興味がある資格・転職先に必要な資格を調べて」資格の取得をおすすめしています。
転職の際、履歴書に資格が書いてあると、採用側にとってスキルを見極める判断材料になる場合もあります。余裕があるのであれば、資格を取っておいて損はないかもしれません。
Q5. 副業の請求書について気を付けることはありますか?
A5. 注意すべきことや事前にしておくことがあります
「副業の請求書で揉めた」「料金の交渉でトラブルになった」などで、相談を受けることがあると河南さんは話します。
そのうえで、「注意すべきこと・事前にしておくこと」として3つのポイントを教えてくれました。
- 自分の仕事のルールを決める
- 契約書を作る
- 料金表を作る
あらかじめ上記の整備をしておくことで、トラブルへの対策にもなるとのことです。
なお、前田さんはトラブルを防ぐため、お仕事を進める前に必ず見積もりを送るようにしていると言います。
そうすることで「納品時の費用を明確にすることができ、クライアントから合意の取れた見積もりの数字をそのまま請求書に記載できる」と、やり取りをスムーズにしているコツを教えてくれました。
Q6. 毎年の確定申告が苦痛です。よい方法はありますか?
A6. 難しさを少しでも軽減したいと考えているのであれば、会計ソフトの活用がオススメです。
「作業効率もよくなり、時短にもつながる」といった理由から、河南さんは会計ソフトの活用をオススメしています。
実際に会計ソフトを使っているという前田さんは、「(会計ソフトを使わず)自分で計算すると本当に時間がかかるので、特に子育てで忙しいママさん経営者の方に(会計ソフトは)オススメです」と賛同していました。
Q7. 税理士さんに確定申告を依頼したいです。どこでお願いできますか?また、どのような税理士さんにお願いするとよいでしょう?
A7. 税理士事務所への連絡や訪問をすることで、依頼をすることができます。また、依頼の際には確認すべきポイントがあります。
税理士事務所への依頼について、河南さんが紹介してくれた方法は以下になります。
- 電話
- 自分の住んでいる地域などに事務所を持つ税理士を、インターネットで検索して探す
- 訪問
また、「どのような税理士の先生にお願いすればよいか」という選び方のポイントは、以下の点を挙げています。
① 料金表がちゃんとある
② 相談しやすい
①に関しては、料金を確認しないまま税理士事務所に依頼してしまうと、業務完了後に渡された請求書を見て「こんなにかかるんだ」と想定外の事態が起きる可能性があるため、確認が非常に大切です。
河南さんは、税理士事務所へ依頼をする前に料金表を確認し、「どこまで仕事を依頼できるのか」を考えたうえで依頼をすることをおすすめしています。
②に関しては、「税理士とは比較的長い付き合いになることが多いので、相談しやすいタイプの人を探すのが重要」と、河南さんは話します。
それを聞いた前田さんは「実は私も税理士さんの知り合いが全然いなくて、すごく探しました」と、過去に複数のオフィスに行き、税理士さんに会ったというエピソードを打ち明けてくれました。
そのうえで、「『ここは相性が合いそう』と思った所(税理士事務所)がありました。さらに、その税理士さんは『僕たちはあなたの夢を叶えるためにお手伝いするんです』ってハッキリ言ってくださって。今もお付き合いしているんですが、やはり実際に会いに行ってみることが大事なのかなと思いました」と、税理士選びで決め手になった部分について教えてくれました。
『自営業専門の税理士』に河南さんがなったワケ
河南さんが『自営業専門の税理士』になったのは、過去の体験がキッカケの一つにあると言います。
かつて河南さんは、独立・企業をする際、自身の地元で開催されていた「起業塾」に参加していました。
当時、同じ参加者の女性の方が「全く経理が分からない」「確定申告どうしよう」「数字を見ただけで胃が痛くなる」と話しているのを聞き、「自分の取った資格がこういう方々の役に立つんだ」と雷が落ちたように気が付いたと言います。
その時に抱いた考えを大切にし、「個人事業主や自営業の方を応援しよう」という思いから、『自営業専門の税理士』としてお仕事を続けている」と語ります。
キャリアの分岐点となったキッカケを聞いて、前田さんは「私もそうなんですけど、お花が好きで(起業をした)。好きを中心に起業をしたんですが、意外と経営周りや数字(の管理など)は苦手です。そういう方も多いと思うんですよね。(河南さんのお仕事は)そういった方の力になれるお仕事ですよね」と同意しました。
なお現在、河南さんは経理・税金・確定申告などの情報をSNSやYouTubeでも発信しているほか、週6日毎朝8時に音声アプリでも配信を行うなど、あらゆるメディアで精力的に情報を発信しています。
副業についてのさまざまな質問は、YouTube番組「人生の分岐点」で公開中
YouTube番組「人生の分岐点」では、各分野で活躍するゲストを迎え、仕事・今チャレンジしていること・今後の展望についてなどのお話を伺っています。
『自営業専門の税理士』の河南さんに質問への回答をしていただいた回では、「世間の皆さんからの質問」として、副業に関するさまざまな質問が集まりました。
YouTube番組「人生の分岐点」は、現在YouTubeで公開中です。
番組では、副業・セカンドキャリア・業界ニュースなどのお役立ち情報を、番組の進行・フローリストの前田有紀さんとゲストのトーク中で紹介しています。
興味を持たれた方は、本動画とあわせて他の動画もぜひ一度ご覧ください。
執筆者名CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム