「OpenAIとは、どんなAI?」
「最近注目されているAI企業のDeepseekとは?」
このような疑問をお持ちの方は多いようです。
OpenAIが開発した「ChatGPT」は、公開直後から世界中で爆発的な人気を獲得し、AI(人工知能)の可能性を大きく広げました。現在AIは、コンテンツ作成やプログラミング支援、ビジネス自動化など、さまざまな分野で活用されており、企業やフリーランスにとって欠かせないツールとなっています。
そこでこの記事では、OpenAIの概要や提供するサービス、そして新たなライバル「DeepSeek」の登場によるAI市場の変化についても詳しく解説します。
また、2025年2月に発表された、OpenAIとソフトバンクグループとのパートナーシップについても簡単に説明しています。
AIについての新たな情報を学び、今後の働き方をアップデートしていきましょう!
OpenAIとは?

OpenAIは、2015年にイーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らによって設立された、AIの研究・普及を目的とする組織です。特に2022年11月にリリースされた対話型AI「ChatGPT」の開発元として知られています。
このChatGPTはリリース直後から大きな注目を集め、OpenAIをAI業界の最前線へと押し上げます。
2025年にはイーロン・マスク氏率いる投資家グループが、OpenAIの方向性や倫理観に対する懸念を表明し、974億ドルでの買収提案を行いました。またOpenAIがアメリカ政府へのロビー活動費を7倍に強化する流れもあり、政治・経済の分野でも大きな影響力を持つ存在となっています。
ChatGPTの登場と影響
2022年11月にリリースされたChatGPTは、自然な対話が可能なAIチャットボットとして世界中で話題となりました。リリース直後からサーバーが高負荷でダウンするなど、その人気ぶりが伺えます。
2025年にはChatGPTの週間アクティブユーザー数が4億人を超え、OpenAIの主要な収益源となり、年間40億ドル以上の収益を上げています。
ChatGPTの人気の理由として、自然な対話が可能であることや、多様な用途に活用できる点が挙げられます。テキスト生成だけでなく質問応答、翻訳、要約など多岐にわたる機能を備えており、無料で基本的な機能が使えることも普及の要因となっています。
また教育分野では、ChatGPTを利用したレポート作成が問題視されるなど、AI活用に関するルール作りも求められています。AIの進化が社会全体に与える影響は大きく、OpenAIの技術が今後どのように発展していくのか注目されています。
ソフトバンクとの提携を発表
2025年2月には、OpenAIとソフトバンクグループとのパートナーシップが発表されました。これは企業向けの最先端AI「クリスタル・インテリジェンス(Cristal intelligence)」の開発・販売を行うための提携です。
クリスタル・インテリジェンスは過去の会議内容・交渉内容などの「長期記憶」に注目したAIで、長期記憶を実現するとAIへの指示が必要なくなると言います。ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員である孫正義氏はクリスタル・インテリジェンスが「その企業のあらゆるデータを読み、AIエージェントとして自律的に事業やサービスを変革する」と言及しています。
また多くの企業では、長年にわたって構築されてきた基幹システムが存在します。この基幹システムのソースコードの解析は困難と言われてきましたが、クリスタル・インテリジェンスによって可能になると言います。
クリスタル・インテリジェンスと企業のシステムやデータを統合すると、企業のイノベーションが加速し、業務の効率化・自動化を図れます。「人間の仕事が奪われるのでは」という意見もありますが、クリスタル・インテリジェンスにより企業の競争力が向上していくと考えられるでしょう。
OpenAIを脅かすDeepSeekとは

人工知能(AI)の開発競争が激化する中、中国発のAI研究所である「DeepSeek」が注目を集めています。DeepSeekはオープンソースの大規模言語モデル(LLM)を開発し、高性能かつ低コストなAI技術を提供しています。
DeepSeekの特徴と低コスト戦略
DeepSeekの強みは、開発・運用コストの低さにあります。2024年12月に発表された「V3」モデルは、わずか560万ドルの学習コストで構築されました。数十億ドルが投じられてきたChatGPTなどと比較すると圧倒的な低コストです。
この低コストを実現した理由のひとつが「Mixture of Experts(専門家の混合)」という機械学習アプローチです。複雑なタスクに対し、大規模なモデル全体ではなく、特定のサブモデルを活用することで、処理効率を向上させました。
AI開発の常識を変える存在
従来、AIの開発には莫大な資金が必要とされていました。アメリカの大手企業は巨額の投資を行い、大量の電力を消費するデータセンターを支えるために原子力発電にも資金を投じています。
しかしDeepSeekは、これまでアメリカのトップ企業が独占していたAI開発のあり方を大きく変える可能性を秘めています。数分の1のコストで同等の性能を持つAIを開発できるのであれば、AIを活用した社会の発展にも大きな影響を与えるでしょう。
AI市場におけるDeepSeekの影響
DeepSeekの成功は、中国がAI分野で競争力を高めていることを示しています。米国が中国への高性能GPU輸出を制限する中、DeepSeekは制限版の「H800」を活用し、最適化技術で同等の性能を実現しました。
DeepSeekはオープンソースとして公開されており、多くの開発者がこの技術を活用しやすい環境を整えています。さらに同社が提供するAIチャット機能は無料で利用可能であり、OpenAIの有料プラン「ChatGPT Plus」との価格差も大きな競争力となっています。
OpenAIはDeepseekへの対抗策として、2025年の新モデル「o3-mini」を当初の予定よりも早く発表しました。このように、今後もAI市場の競争は激化していくと予想されます。
OpenAIが提供するAIサービス

OpenAIは、さまざまな分野で活用できる先進的なAIサービスを提供しています。これらの技術を活用することで業務の効率化や、創造的な活動の支援が可能です。
ここでは、OpenAIの代表的な4つのサービスについて詳しくご紹介します。
- ChatGPT
- DALL·E
- Whisper
- OpenAI Codex
ChatGPT
ChatGPTは、自然な対話を可能にするAIチャットボットです。ユーザーが入力したテキストに対し、人間が返答しているかのような自然な文章を生成するのが特徴です。無料で利用できるほか、有料プランでは高度なモデルを使用できます。
翻訳・要約などのタスクもこなせるため、ビジネスや教育の場面での活用が期待されています。なお2023年9月以降は、マイクロソフトの検索エンジンBing経由でChatGPTがインターネット閲覧をするようになり、リアルタイム性の高い回答を得られるようになりました。
DALL·E
DALL·Eは、テキストから画像を生成するAIモデルです。ユーザーが指定したテキストに基づき、リアルな画像や創造的なイラストを自動生成できます。例えば「ゴッホ風の犬」「未来都市」といった指示を出すことで、多彩な画像を作成できるでしょう。
ビジネスの場ではWebコンテンツの作成や広告デザインなどに活用でき、クリエイティブな作業の効率化を支援します。
Whisper
Whisperは高精度な音声認識AIで、音声データを自動で文字に変換できます。多言語対応で、録音データのテキスト化や字幕作成、会議の議事録作成などに利用されています。
例えばビジネスのミーティングやセミナーの音声を自動でテキスト化し、記録の効率化を図れます。2023年3月にはソフトウェア間で機能を共有できるAPIが公開され、アプリ開発への組み込みが容易となりました。
OpenAI Codex
OpenAI Codexはプログラミングを支援するAIで、テキストで指示を出すだけでコードを生成できます。PythonやJavaScriptなど複数の言語に対応しており、ソフトウェア開発の効率化に貢献します。
例えば、初心者がコーディングを学ぶ際の補助ツールとして活用できるほか、開発者が短時間でコードを作成・修正する際にも役立つでしょう。
会社員・フリーランスがOpenAIを活用できる場面

業務の効率化やクリエイティブな作業の支援が、AIにより可能となっています。特にOpenAIが提供するサービスは、会社員やフリーランスのさまざまな場面で活用できるでしょう。
以下に具体例を挙げていきます。
- コンテンツ作成
- アイデア出し
- ビジネス文書のテンプレート作成
- プログラムのバグチェック
- 画像・イラスト制作
- メール返信文の作成
- データの整理・成形
- 社内問い合わせ対応
- データ分析
コンテンツ作成
ブログ記事やマーケティング資料などの作成には、時間と労力がかかります。そこでChatGPTを活用すると短時間で質の高いテキストを生成できるため、業務の効率化が図れます。
例えば商品の説明文やSNSの投稿文をAIに生成させることで、ライティング作業を大幅に簡略化できるでしょう。これなら、より戦略的な業務に時間を注げるようになります。
アイデア出し
新しい企画を考える際には、多くのアイデアが必要です。ChatGPTは大量の情報をもとにアイディアを生成できるため、新しい視点を得るのに役立ちます。
例えば新規商品の開発や広告キャンペーンの企画段階でChatGPTを活用することで、より効果的な戦略を立てることにつながります。
ビジネス文書のテンプレート作成
契約書や報告書など、定型的な文書の作成には時間がかかります。このような場合にChatGPTを利用すれば、必要な要件を指定するだけで、適切なテンプレートを自動生成できます。
例えば定型メールの作成や会議の議事録作成を行うと、文書作成の負担が軽減されてより迅速に業務を遂行できるでしょう。
プログラムのバグチェック
ソフトウェア開発においてコードのバグを見つける作業は重要ですが、時間がかかることが多いです。そこでChatGPTを活用すると、コードのエラーチェックや最適化の提案を受けられます。
例えばPythonやJavaScriptで入力したコードの潜在的な問題点を指摘し、修正のアドバイスを提供してくれます。
画像・イラスト制作
DALL·Eを活用すれば、テキストから画像を生成できます。例えばWebコンテンツ用のオリジナル画像や、アイコンの作成が可能です。
特にデザインスキルがない方でも、画像のイメージをテキストで指示するだけで、適切なビジュアルを作成できるでしょう。
メール返信文の作成
顧客対応や社内連絡の際、適切な文章を考えるのに時間がかかることがあります。このような際もChatGPTを活用すれば、フォーマルな返信文を簡単に作成できるでしょう。
メール文案を生成して必要に応じてカスタマイズすることで、迅速かつ適切な対応が可能です。
データの整理・成形
大量のデータを扱う業務では、情報を整理する作業が必要です。そこでChatGPTを活用すれば、必要なデータのみを抽出したりリスト形式に整えたりすることが可能です。
例えば「会議リストの中から時間を除いたリストを作成してほしい」と指示すると、指定した条件に基づいてデータ整理をしてくれます。
社内問い合わせ対応
人事部・総務部では、社員からの問い合わせ対応が多く発生します。ChatGPTならよくある質問への回答を自動化し、業務負担を軽減できるでしょう。
例えば社員から休暇申請の方法を尋ねられた場合に、自動で適切な回答を提示できます。
データ分析
ChatGPTを活用することで、大量のデータを短時間で分析できます。例えばカスタマーレビューのデータから頻出単語を抽出し、顧客の意見の傾向を把握できます。
さらに、分析結果を基にした施策の提案や、レポート作成も可能です。
OpenAI・ChatGPTの今後

中国発のDeepSeekをはじめとするAI企業との競争が激化する中でも、OpenAIの利用者の増加は続いています。OpenAIはどのような未来を目指し、AI技術の進化を進めていくのでしょうか。
OpenAIのビジョンとミッション
OpenAIの目標は「人類全体へのAGI(汎用人工知能)の利益を確実にすること」です。日本政府もAI政策を積極的に推進し、過疎地域の労働力不足などの課題解決に向けた取り組みを進めています。
特定のタスクに特化した従来のAIとは異なり、AGIは人間と同等、もしくはそれ以上の知的作業をこなせる技術を指します。理解や推論、学習、創造的思考など、幅広い領域に適用可能であり、将来的には多くの業界で活用される見込みです。
GPTの進化と今後の役割
OpenAIのCEOであるアルトマン氏は、次世代AIの開発において、従来とは異なる進化を遂げる可能性を示唆しています。これまでのGPT-3やGPT-4は、モデルの大規模化による知能向上を図っていましたが、今後は強化学習や新たなアルゴリズムを導入し、より高度な推論能力を持つAIモデルの開発を目指す方針です。
従来の「会話型AI」から「自律的に問題を解決するAI」へと進化させる方向性をOpenAIは掲げており、今後10年間でAIの役割が大きく変化する可能性があります。
OpenAIでビジネスをより効率的に

OpenAIは、ChatGPTをはじめとする最先端のAI技術を開発し、ビジネスや日常生活に大きな影響を与えています。特にChatGPTの普及により、企業や個人が効率的に業務を進められる環境が整いました。
一方で中国発の「DeepSeek」の登場によりAI市場の競争は激化しており、OpenAIも新モデルの開発をスピードアップさせています。
また、日本政府においては「ムーンショット目標」として、AIとロボットの共進化を掲げています。人間と違和感なく共存し自律的に判断・行動できるAIロボットの開発や、より広範な社会システムの変革を2050年までに目指しており、産業・医療・教育などさまざまな分野でのAIの活用に期待を寄せています。
今後AIはさらに進化し、コンテンツ制作やデータ分析、プログラミング支援など、あらゆる分野で活躍するでしょう。あなたも最新のAI技術を活用し、よりスマートな働き方を実現しましょう!
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム