「フリーランスの実態を知りたい」
「フリーランスって自由そうだけど、本当に大丈夫?」
このような疑問や不安を抱えていませんか?
フリーランスの働き方は自由で自己裁量が大きい一方で、不安定な収入や孤独感といった課題もあります。そこでこの記事では、安心してフリーランスを始められるように、フリーランスの実態についてご紹介していきます。
フリーランスが増えた背景や年収、どのような生活をしているのかなど、さまざまなご紹介をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスとは?その定義と実態

フリーランスという働き方が注目を集めています。組織に縛られない自由な働き方や、スキルを生かして生計を立てられる点がその魅力でしょう。
以下ではフリーランスの定義と、その働き方の実態について解説していきます。
フリーランスの定義
どのような状態がフリーランスかは、法律で厳密に定義されているわけではありません。ただし内閣官房や関連機関が定めたガイドラインでは「企業や組織に雇用されるのではなく、自己の責任で仕事を請け負う働き方」と定義されています。
出典:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を 整備するためのガイドライン」
つまりフリーランスは特定の組織に所属せず、自身の持つ技術や知識を活用して生計を立てる働き方を指します。ライター・デザイナー・プログラマー・エンジニアなど、職種の範囲は幅広いです。
多くの場合フリーランスは「個人事業主」とも呼ばれますが、法人化する場合はこの限りではありません。
フリーランスの働き方の実態
フリーランスの生活が充実するかどうかは、個々の価値観に大きく依存します。仕事上の人間関係、自由な働き方、収入など何を重視するかによっても満足度は異なります。
内閣官房の調査では、7割以上のフリーランスが働き方に満足している一方、収入に満足している割合は4割に留まるという結果が出ています。
収入よりも時間・場所にとらわれない自由さを重視する人にとっては、フリーランスという働き方は魅力的でしょう。
フリーランスは増加傾向
内閣官房が2020年に実施した調査によると、副業を含めた国内のフリーランス人口は462万人と推定されています。
参照:フリーランス実態調査結果|内閣官房日本経済再生総合事務局
この数値は2019年の341万人と比較すると大幅に増加しており、フリーランスの需要が高まっていることが伺えます。
とくにIT技術の進展に伴い、エンジニアなど専門性の高い職種の需要がとくに急速に拡大しています。また、企業の間でもフリーランスの活用が進んでいます。現在18.9%の企業がフリーランスと契約しており、今後さらに増加する見込みです。
フリーランスの男女別・年齢別の特徴
フリーランス人口の内訳を見ると男性が約146万人、女性が約63万人と、男性の割合が高い傾向にあります。年齢別では45~49歳が最多で、ついで50~54歳が続きます。とくに50代以上では、男性のフリーランスが多いです。
フリーランスを選ぶ理由としては「専門的なスキルを生かせるから」「自由な時間に働けるから」という意見が上位を占めており、自己裁量の高さが選択の理由として挙げられるでしょう。
フリーランスの年収の実態

フリーランスは多様な働き方が可能であり、人によって年収にも幅があります。ここでは、フリーランスの働き方別の年収相場や、会社員との違いを踏まえた収入の目安について解説します。
働き方別に見るフリーランスの年収
フリーランスの働き方や、それぞれの年収は以下になります。
年収の実態と割合
2020年に公表された「内閣官房日本経済再生総合事務局」のデータによると、フリーランスの年収には働き方によって大きな差が見られます。
働き方 | 最も人数が多い年収の層 |
主たる生計者 | 200万円以上300万円以下(19%) |
主たる生計者以外 | 100万円未満(47%) |
副業フリーランス | 100万円未満(74%) |
出典:フリーランス実態調査結果|内閣官房日本再生総合事務局
ここではフリーランスを本業とする「主たる生計者」や、世帯収入の50%未満を得ている「主たる生計者以外」、正社員として企業に勤めている「副業フリーランス」という3つのカテゴリーに分けて解説していきます。
主たる生計者
最も多いのは年収200万円以上300万円未満が19%で、ついで100万円未満、100万円以上200万円未満、300万円以上400万円未満がそれぞれ16%です。この層では年収300万円未満が過半数を占めています。
主たる生計者以外
この層では100万円未満の年収が47%を占め、次に100万円以上200万円未満が26%、200万円以上300万円未満が14%です。
副業フリーランス
副業フリーランスの年収は74%が100万円未満であり、ほとんどが年収300万円未満に収まります。
会社員との収入比較と目標設定
フリーランスは社会保険料や福利厚生が自己負担になるため、同じ収入でも会社員時代より手取りが減る傾向があります。一般的にはフリーランスは会社員の1.1倍ほどの収入を得ないと、同等の手取りを確保できません。
ただしフリーランスは、会社員が享受できる最大20日有給休暇がないため、単純に手取りのことだけ考えるのであれば、会社員時代の年収の1.3倍程度を目指すと良いでしょう。
一方でフリーランスは、会社員とは異なり、経費処理を行い節税をすることが可能です。一概に会社員時代の収入だけで優劣をつけられない点もあるため、フリーランスへの転向を考える際は、さまざまな面から考えるようにしましょう
フリーランスの生活の実態

ここでは、フリーランスの生活や働き方の実態をご紹介します。ぜひ自分に合った働き方を見つけるための参考にしてみてください。
フリーランスと会社員の生活の違い
フリーランスと会社員の生活には、いくつかの大きな違いがあります。まず、フリーランスは働く時間・日数を自分で決められる点が特徴です。たとえば平日を休みにして、土日に働くといった柔軟なスケジュール調整が可能です。
また出勤時間・残業時間の制約もありません。成果物を納品することが報酬の基準となるため、必要に応じて集中して作業を行える自由度があります。ただしプロジェクト単位で働く場合は、他のメンバーのスケジュールに合わせることも必要です。
ただし、参加する案件によっては、当然ながら就業ルールなどを守らなければいけない場合もあります。
これに対して会社員は、決められた出勤時間・労働時間があるため、生活リズムが固定されやすい傾向にあります。
フリーランスの生活の課題と工夫
自由な働き方が魅力のフリーランスですが、安定した収入や生活リズムを維持するには工夫が必要です。とくに開業初期は仕事量を確保するために、徹底したスケジュール管理や営業活動が求められます。
たとえば、ブログの執筆やポートフォリオサイトの運営を通じて仕事を獲得する人は多いです。また健康管理やリフレッシュの時間を、意識的に確保することも重要です。
忙しい日々を乗り越えていくことで、徐々に理想的な働き方に近づいていくでしょう。
フリーランスが増えた背景

フリーランスが増えた背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。そこで以下では、フリーランス人口の増加につながった理由を解説します。
- 副業を解禁する企業が増えた
- フリーランス向け案件やサービスが増えた
- 世の中の価値観が変化した
- リモートワークが普及した
- IT人材の不足が深刻化した
副業を解禁する企業が増えた
企業の社員の副業を認める動きが広がり、多くの人が副業を通じてフリーランスの働き方を体験しています。副業では場所・時間に縛られず、自身のペースで働ける自由さが得られるため、フリーランスとしての独立を考える人が増えています。
フリーランス向け案件やサービスが増えた
労働人口の不足を背景に、フリーランスを活用する企業の動きが加速しています。実際、国内企業の約半数がフリーランスの人材活用に前向きな姿勢を示しており、その結果フリーランス向けの案件が増加しているのです。
フリーランスでも安定して仕事を得られる可能性が高まり、独立を選択する人が増えています。
また、クラウドソーシング型の求人サイトや人材マッチングサービスの登場により、フリーランスが仕事を見つけやすくなっています。コワーキングスペースなどの施設も増え、働く環境が充実してきたことも、フリーランスが増えた要因の1つです。
フリーランス活動のハードルが以前よりも低くなったため、フリーランスが増加しています。
世の中の価値観が変化した
世の中の価値観も変化しています。以前は企業に所属して働くことが一般的でしたが、現在では個人単位で働くフリーランスの価値観が広がりつつあります。
自由に働ける環境が整ってきたことが、ワークライフバランスを重視する現代人にとって魅力的に映っているのです。こうした価値観の変化が、フリーランス人口の増加を後押ししています。
リモートワークが普及した
企業がデジタル化を進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、既存の業務の効率化やリモートワークが進んでいます。この技術的進化が、フリーランスとして働きやすい環境を整えた要因と言えるでしょう。
リモートワークにより地理的な制約が緩和され、フリーランスが活動しやすくなったのも重要なポイントです。
IT人材の不足が深刻化した
日本では、IT人材の不足が深刻な課題です。経済産業省のデータによると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると予測されており、企業はフリーランスを積極的に採用するようになっています。
IT分野を中心に、今後さらにフリーランスが活躍する機会が増えるでしょう。
参照:IT分野について|経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
フリーランスに向いている人の特徴

フリーランスは自分の裁量で働ける反面、自己管理やスキルが求められます。そこで以下では、フリーランスに向いている人の特徴をご紹介します。
あくまでも目安ではありますが、これからフリーランスを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
- オンとオフを切り替えられる人
- スケジュール管理が得意な人
- 金銭管理ができる人
- フットワークが軽い人
- 学び続けられる人
- 変化に柔軟に対応できる人
オンとオフを切り替えられる人
フリーランスは自分で仕事の時間や量を調整できるため、オン・オフの切り替えが大切です。この切り替えができないとプライベートと仕事が混同し、生活にメリハリがなくなってしまいます。
明確な線引きをすることで仕事に集中しやすくなり、プライベートも充実させられます。たとえば仕事の時間を決めてしまい、それ以外はリラックスする時間と割り切ることで、心身のバランスを保てるでしょう。
スケジュール管理が得意な人
フリーランスは納期を守りながら自分の裁量で仕事を進めるため、スケジュール管理能力が必須です。計画を立てられないと、納期遅延やオーバーワークに陥る可能性があります。
1日の予定を細かく管理して効率的に時間を使える人は、フリーランスとして活躍しやすいです。またスケジュール管理ツールも活用することで、さらに管理能力を高められるでしょう。
金銭管理ができる人
フリーランスは収入が不安定な場合があるため、金銭管理能力が求められます。収入と支出のバランスを把握し、無駄遣いを避けることが重要です。
収入が多い月でも、将来のために貯蓄を心掛ける必要があり、場合によっては投資の勉強も必要かもしれません。こうした管理能力があれば金銭的な不安が軽減され、安定した生活を維持できるでしょう。
フットワークが軽い人
フリーランスは人脈を広げるために、イベント・交流会・オンラインコミュニティなどに積極的に参加する姿勢を持ちましょう。幅広い人脈は、仕事を得るうえで大きな武器になります。
名刺交換や簡単な会話でもクライアントの印象に残れば、次の仕事につながる可能性があります。人付き合いが得意な人は、フリーランスとして有利に働けるでしょう。
学び続けられる人
フリーランスは企業内での研修制度がないため、自分で学び続ける姿勢が欠かせません。とくにIT業界は技術の進歩が速いため、新しい知識を取り入れ続ける姿勢が大事です。
自ら学習の機会を設けて新たなスキルを身につけることで、競争力を維持しやすくなります。学ぶ意欲がある人は、フリーランスとして成長し続けられるでしょう。
変化に柔軟に対応できる人
フリーランスは、クライアントや職場が頻繁に変わることもあるため、柔軟性が求められます。新たな環境や人間関係に適応できる力があれば、どのような状況でも成果を上げやすいでしょう。
初めは新しい環境や人間関係に戸惑うかもしれませんが、変化を続けていくうちに柔軟な考え方になっていく方も多いです。
まずは情報収集から始めよう

フリーランスは自由な働き方や自己裁量の大きさが魅力ですが、収入が不安定になりがちで、自己管理の難しさという課題も存在します。フリーランスが増えた背景には副業解禁・IT技術の進化・働き方の価値観の変化、といったものが挙げられます。
フリーランスの仕事は、とくに専門スキルを持つ人にとっては大きな可能性が広がります。フリーランスにはオンオフの切り替えやスケジュール管理、金銭管理といった能力が求められますが、柔軟性や学び続ける姿勢を持つことで成功の道が開けます。
自身に合った働き方を見つけるために、この記事で解説した内容を踏まえ、まずは情報収集から始めてみませんか?一歩踏み出せば、フリーランスとしての未来は意外と身近に感じられるはずです。
あなたの理想の働き方を実現するための第一歩を、ぜひ今日からスタートしてみましょう!
執筆者名Ruben
編集企画CWパートナーシップ・フリサプ編集チーム